13年に金子千尋が10完投
先発、中継ぎ、抑えと投手の分業制が主流になり、先発投手の完投数は減少傾向。今季、最も完投数が多かったのは山口俊(DeNA)、菅野智之(巨人)、石川歩(ロッテ)、涌井秀章(ロッテ)の5完投だった。
両リーグともに最多の完投数は「5」。近年は、先発完投型の投手に贈られる「沢村賞」の選考基準である10完投以上という項目をクリアできずに同賞を受賞する投手が多い。直近で10完投以上を記録し、沢村賞に輝いた投手は11年の田中将大の14完投まで遡る。
それだけ難しい10完投という数字だが、各球団で最後に“10完投”以上をクリアした投手は誰になるのか――。直近で10完投以上した投手を見ると、この10年以内では13年のオリックス・金子千尋、11年の日本ハム・ダルビッシュ有、楽天・田中将大、09年の西武・涌井秀章の4投手のみ。いずれもパの投手だ。
もちろん、ピッチングだけに集中できるパ・リーグとは異なり、セ・リーグは投手も打席に入るため、試合展開によっては代打を送られることもある。そういったこともあり、この10年で10完投以上を記録した投手はいない。直近では05年の横浜(現DeNA)・三浦大輔と、広島・黒田博樹という両雄になる。
両リーグで最も10完投以上から遠ざかっている球団を見ると、パ・リーグは意外にもダイエー(現ソフトバンク)になる。最後は94年の吉田豊彦だ。一方、セ・リーグは92年の阪神・仲田幸司。特にソフトバンクは近年、斉藤和巳、杉内俊哉、和田毅、摂津正など球界を代表する投手がいたが、後ろが安定していることもあり10完投以上するの投手は現れなかった。
各球団最後の10完投以上の投手
【日本ハム】
ダルビッシュ有 10完投/6完封(2011年)
【ソフトバンク】
吉田豊彦 11完投/1完封(1994年)
【ロッテ】
小宮山悟 10完投/2完封(1998年)
【西武】
涌井秀章 11完投/4完封(2009年)
【楽天】
田中将大 14完投/6完封(2011年)
【オリックス】
金子千尋 10完投/3完封(2013年)
【広島】
黒田博樹 11完投/1完封(2005年)
【巨人】
上原浩治 11完投/1完封(2003年)
【DeNA】
三浦大輔 10完投/2完封(2005年)
【阪神】
仲田幸司 13完投/2完封(1992年)
【ヤクルト】
岡林洋一 10完投/2完封(1994年)
【中日】
野口茂樹 11完投/5完封(2001年)