コラム 2017.02.17. 11:00

“打てる捕手”に続いて“打てる三塁手”不足問題が浮上

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WBC日本代表のソフトバンク・松田宣浩

松田を脅かす若き三塁手が育っていない


 かつての“打てる捕手”たちが一線を退き、捕手難が叫ばれて久しい日本球界。だが、人材不足が懸念されるのは捕手だけではないようだ。それは、3月に開催されるWBCの出場メンバーを見ればはっきりと分かる。

 前回の2013年大会から連続で選ばれたメンバーは、牧田和久(西武)、松田宣浩(ソフトバンク)、坂本勇人(巨人)、中田翔(日本ハム)、内川聖一(ソフトバンク)の5人。小久保裕紀監督がこれまで何度も「若手を中心にする」と繰り返してきたとおり、23人が入れ替わっており、世代交代の速さを感じさせるものだ。

 その“連続選出メンバー”のなかで気になるのが33歳の松田だ。35歳の青木宣親(米アストロズ)、34歳の内川と年上の選手がふたりいるものの、6人の内野手のなかでは28歳の坂本を5歳上回る最年長。小久保監督がどのような選手起用をするかは現時点で不明だが、青木や内川のポジションである外野の場合、秋山翔吾(西武)、筒香嘉智(DeNA)、鈴木誠也(広島)ら、近年の活躍が際立つ20代の選手が中心メンバーとなるだろう。

 ただ、内野の場合はそうはいかない。松田以外の内野手である坂本、中田、田中広輔(広島)、菊池涼介(広島)、山田哲人(ヤクルト)は、昨季、三塁での起用は一度もない。途中交代はあっても、松田の三塁起用が基本線だろう。前回大会から4年を経て、松田を脅かす生きのいい三塁手が育っていないということの表れだ。

“打てる三塁手”の育成を望む


 ここで、昨季、各球団において三塁のスタメンを最も多く務めた選手の成績を振り返ってみる。

・各球団で三塁のスタメンを最も多く務めた選手の成績
※()は三塁でのスタメン出場数

【日本ハム】
レアード(140試合)
成績:143試 率.263 本39 点97

【ソフトバンク】
松田宣浩(143試合)
成績:143試 率.259 本27 点85

【ロッテ】
中村奨吾(50試合)
成績:108試 率.201 本6 点25

【西武】
中村剛也(47試合)
成績:108試 率.238 本21 点61

【楽天】
今江敏晃(82試合)
成績:89試 率.281 本3 点23

【オリックス】
中島宏之(39試合)
成績:96試 率.290 本8 点47
小谷野栄一(39試合)
成績:50試 率.249 本4 点13

【広島】
安部友裕(58試合)
成績:115試 率.282 本6 点33

【巨人】
村田修一(143試合)
成績:143試 率.302 本25 点81

【DeNA】
白崎浩之(44試合)
成績:92試 率.207 本6 点12

【阪神】
北條史也(39試合)
成績:122試 率.273 本5 点33

【ヤクルト】
川端慎吾(100試合)
成績:103試 率.302 本1 点32

【中日】
高橋周平(66試合)
成績:75試 率.251 本4 点29

 外国人のレアードを除けば、三塁のスタメン出場が100試合を超えている、不動の三塁手といえるのは村田修一(巨人)、川端慎吾(ヤクルト)、松田の3人のみ。成績としては、この3人と中村剛也(西武)が抜けている。

 ただ、村田は36歳という年齡がネック。中村は2015年のプレミア12で打率.150に終わり、国際試合での弱さを露呈してしまった。川端の確実性は魅力だが、長打力に欠ける……。そう考えれば、松田の選出は妥当だと言える。

 三塁手は、強い打球の処理は必要とはいえ、守備の負担は小さいポジションだ。そのため、打撃力に秀でた選手を起用するのがオーソドックスなチーム編成となる。WBC王者に輝いた第1回大会(2006年)の岩村明憲(当時ヤクルト)、第2回大会(2009年)の村田(当時横浜)はまさにそんな選手だった。ふたりのWBC開催年の前年成績を振り返ってみる。

岩村明憲(2005年/ヤクルト)
三塁スタメン:142試合
2005年成績:144試 率.319 本30 点102

村田修一(2008年/横浜)
三塁スタメン:132試合
2008年成績:132試 率.323 本46 点114

 統一球導入以前ということでボールの違いはあるものの、まさにスラッガーと呼ぶべきほれぼれする成績だ。三塁手であっても高い守備力を優先するなど起用傾向の変化もあるのかもしれないが、将来の侍ジャパンのためにも、各球団には“打てる三塁手”育成への注力を願わずにはいられない。

文=清家茂樹(せいけ・しげき)

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