首位オリックスには大きな弱点がある――
5月26日現在、パ・リーグの首位はオリックスだ。ここまで、リーグ1位のチーム防御率と得点数で貯金を増やしてきた。対するは大本命のソフトバンク。摂津正と内川聖一の離脱は気がかりだが、他チームとの戦力差があるから上位キープは問題ないだろう。ロッテと日本ハムはどんぐりの背比べ状態で、何とか勝率5割前後をキープ。そこから離れて、昨年の覇者・楽天、伊原・西武と順位は続く。
貯金数からも、オリックスとソフトバンクを首位争いの一つのかたまりと見るのが当然かもしれない。それでも、オリックスがこのまま首位をひた走るのかとなれば、絶対的な信頼は置けない。オリックスのチーム状態は、開幕~現在を“最高潮”と考えるべきで、打線が湿れば投手陣への負担が一気に膨らむ。
その投手陣も、“枚数”で勝負しているわけではないから、負担増による疲れやケガが出た場合、それらの選手の代わりがいないところに「大きな弱点」が潜んでいる。夏場にかけての課題は、投手陣を可能な限り消耗させないことに尽きるだろう。もしもの場合は、一気にチーム状態は悪化するのではないかという不安がつきまとう。
好調打者不在の中での、「貯金1」は健闘と評すべき
オリックスも交流戦好調だが、ロッテが交流戦5連勝とチーム状態を上げてきている。自身を失った唐川侑己に関しては、今のところ改善の兆しがないが……チーム全体としての“嫌らしさ”や“粘り”といった持ち味が戻ってきていることは確かだ。
交流戦開始から5連勝したからではなく、なぜロッテが不気味に感じるのかという理由がある。オリックスとはまるで対照的に、開幕からここまで好調な打者がいないのである。打撃10傑には誰一人名を連ねておらず、13位の角中勝也まで名前が出てこない惨状だ。
しかし、選手の名前を思い浮かべればこのまま終わる打線ではないことも明確で、角中を筆頭に、今江敏晃、井口資仁、根本俊一、鈴木大地と好打者が多く、荻野貴司、岡田幸文といった足を存分に使える脇役もいる。彼らが本来の力を徐々に出してくれば、チーム状態は好転する。そう考えれば、このチーム状態での貯金1は、実は健闘していると評すべきかもしれない。だからこそ、ロッテの存在が不気味に映るのである。
ただ、ロッテには明らかなウィークポイントもある。ベテラン・里崎智也のケガが多く、捕手をしっかり固定できない状態が続くのは頭が痛い。新人の吉田裕太や4年目の江村直也がマスクを被っているが、投手陣にも影響を及ぼす“経験値が求められるポジション”ゆえに厳しさは否めない。また、ブラゼル、クルーズの両外国人選手も機能しているとは言いがたく、打線に一発の怖さがないことも苦しい。
日本ハムも投打が噛み合わず本調子ではないからこそ、この段階で何かしらの打開策を立て、まずはAクラスをしっかり確保したいロッテ。より上位へと食い込むためにも、打線の上向きに期待しつつ、球団には、補強も含めた“なりふり構わぬ姿勢”を見せてほしい。