オフの話題に
年が明け、迎えた2019年。今季のプロ野球で注目を集めていることの1つが、巨人・原辰徳監督の動向だろう。監督就任早々にフリーエージェントなどで大型補強を敢行。間違いなくオフの主役のひとりは原監督だった。
過去数年、セ・リーグは広島の独壇場だった。前田健太のメジャー挑戦や黒田博樹の引退など、毎年のように主力選手がチームを離れたが、若手の成長、外国人選手の補強などがうまく運び、他の5球団を圧倒してきた。
その広島に待ったをかけるべく就任したのが“名将”原監督。これまで2002~03年と2006~15年の2度にわたり巨人を指揮し、合計12シーズンで7度のリーグ優勝、3度の日本一に輝くなど、その実績は12球団でも屈指といえる。2015年オフに自身がバトンを渡した高橋由伸前監督から3度目のバトンを受け取り、5年ぶりのリーグ優勝、そして7年ぶりの日本一を見据える。
3次政権はいかに!?
同一チームを開幕から3度にわたり指揮した人物は原監督が史上3人目になる。1人目は、中日の天知俊一監督で、1949~51年、54年、57~58年の計6シーズンにわたってチームを率いた。2人目が阪神の吉田義男監督で、1975~77年、85~87年、97~98年の計8シーズン。天知・吉田の両監督はいずれも2度目の政権時にチームを優勝に導いている。その実績が買われ、3度目の就任を果たすもチームを再建することはできず、いずれも2年で終わっている。
しかし2人とは、第3次政権を迎えるまでの監督としての実績に大きな違いがある。天知・吉田両監督もチームを日本一に導いた経験があるとはいえ、監督としての年数や優勝回数は原監督には遠く及ばない。
3度目の政権で原監督は“ジャイアンツプライド”を復活させ、チームを優勝に導くことはできるのか!? もし巨人が今季も優勝を逃せば、チーム史上初の5年連続“V逸”となる。監督としての実績と大型補強を敢行したことで、ファンは“常勝軍団”復活を期待しているはずだ。
否が応でも新生ジャイアンツの動向に注目が集まるが、果たして原監督はそのプレッシャーをはねのけることはできるだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)