CS最後の1枠を巡る戦いも熾烈
3月末に始まったペナントレースも残すところあとわずか。各球団の残り試合も15試合を切っているなか、両リーグとも優勝争い・CS争いが熾烈を極めている。
パ・リーグでは、11日の首位攻防直接対決を制した西武がシーズン130試合目にして初の首位浮上。12日の試合にも勝利できれば、逆転で優勝へのマジックナンバーが点灯する。
その上位2チームとの争いからは少し間が空いたものの、クライマックスシリーズ進出をかけた残り1つのイスを巡る争いも僅差。現時点ではロッテが勝率.512でリードしているが、4位・楽天も1ゲーム差で食らいつく。令和最初の王座を巡る争いと、クライマックスシリーズ出場権をかけた争いは最後まで目が離せない。
復調してきた大砲
今回取り上げたいのが、4位から逆転でのCS進出を目指す楽天。昨季は最下位に沈むも、積極的な補強が奏功して前半戦では首位に立つシーンも。ところが、7月に月間8勝14敗と失速。8月は13勝12敗2分となんとか持ち直したものの、優勝争いからは遅れてしまい、現在はロッテとの激しい3位争いの真っ只中にいる。
どうにかして上がり目を探したいところで、カギを握りそうなのが今季からチームに加入したジャバリ・ブラッシュだ。
アメリカ出身の30歳、右投右打の外野手。公称196センチ・106キロという体躯を活かしたパワフルな打撃が魅力のスラッガーで、今季は5月に月間10本塁打をマークするなど、前半戦のチームを支えていた。
ところが、7月に入るとシーズンの疲れか、相手に研究された分か、はたまた日本特有の暑さの影響か、一気に調子が下降。月間打率.203(64-13)と不振に苦しみ、3本塁打で7打点と低迷。登録抹消こそなかったものの、7月末からは5試合連続でスタメン落ちも経験した。
8月に入ってからも復調の兆しは見られず、スタメン復帰とスタメン落ちを繰り返す日々。しかし、ここでの休養が良い方向へと転ぶ。
スタメンに戻った8月13日の試合以降は、25試合で打率.305(82-25)と好調。本塁打も10本をマークし、シーズン通算の本塁打は「32」。ゼラス・ウィーラーが2017年に記録したシーズン31本を上回り、球団外国人選手のシーズン最多本塁打記録を更新した。
思い返してみると、昨季の最下位の屈辱を経て、新生・楽天の目玉として期待されたのがこのブラッシュと浅村栄斗のふたり。実際に前半戦は2人が中軸として機能したことでチームも快進撃を見せていたが、反対に2人の調子が狂い始めた夏場から、チームの歯車も徐々に狂っていった。
復調してきたブラッシュが4番に固定されたことで、チームは再び上昇の気配を見せている。残りわずかとなったシーズンだが、まだ遅くない。楽天のCS滑り込みのカギを握るジャバリ・ブラッシュのバットに注目だ。
▼ ジャバリ・ブラッシュ(楽天)
ポジション:外野手
投打:右投右打
身長/体重:196センチ/106キロ
生年月日:1989年7月4日
経歴:マイアミデード大-パドレス-エンゼルス-楽天
[今季成績] 117試 率.266(387-103) 本32 点91
※成績は9月11日終了時点