コラム 2022.04.14. 19:50

“BIG BOSS商法”のジレンマ【BIG BOSS 新庄日ハムの1カ月】

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日本ハム・新庄BIGBOSS (C) Kyodo News

第2回:BIG BOSS人気もチーム再建はほど遠く


 日本ハムの低空飛行が続いている。

 14日現在、4勝12敗。開幕直後の10試合で1勝9敗のどん底から見れば、その後の6試合は3勝3敗だから、浮上の兆しと見えなくもないが、6カード連続の勝ち越しなしは球団ワーストタイ、依然としてもがき苦しんでいることには違いない。

 初の3連勝を目指した13日の西武戦がチームの現状を表している。

 いきなり、先発の立野和明投手が4点を先制されたが、徐々に追い上げて1点差で迎えた9回。野村佑希選手の安打と敵失などで一死二・三塁の逆転機を迎えたが、代打のレナト・ヌニエス選手が3球三振、万波中正選手も二飛に倒れて万事休す。

「あそこで逆転しておかないかん。相手のミスを利用してこっちに流れを持ってくる。(流れに)乗らないといけなかった」

BIG BOSSの表情にも悔しさがにじんだ。


 スポーツは結果の世界である。名将と呼ばれた野村克也監督でも最下位に沈んだ阪神や楽天時代には批判を浴びている。新監督誕生時からキャンプまで話題を独占した感のあるBIG BOSSも例外ではない。負け続ければ、采配、用兵に疑問の声が上がり、マスコミの露出も減っていく。同様に“ファン離れ”までが指摘され出した。


 日本ハムが本拠地の札幌ドームで開催したのは、ここまで3カード8試合。

 3月29日からの対西武開幕3連戦は新監督のお披露目もあって初戦に20868人を集めるなど好調に推移した。しかし、1勝8敗で迎えた4月5日からのロッテ戦では早くも1万人を割り、2戦目には7953人。続く楽天戦も開幕時の熱狂はなかった。3カード合計では10万人を超す観客動員数だが、1試合平均13014人は「新庄人気」を考えるといささか寂しい。

 10年に及んだ栗山英樹前監督時代には、日本一も経験したが、直近3年は5位に沈むなど低迷期を迎えていた。それに比例するように観客動員にも陰りが見え、チームは大転換期を迎える。23年に開場する新球場移転も視野に入れて選ばれたのが話題性も、華もある新庄BIG BOSSだった。


 「新しい野球を目指す」「開幕戦は遊びます」など従来の球界の殻を破るような発言と派手なパフォーマンスは常に大きな注目を集めてきた。一方で、開幕直前に東京ガールズコレクションのステージに立って、一部の野球関係者からはひんしゅくも買う。

「日替わりオーダー」はオープン戦から変わらない。新庄監督が得意とするエンターテイメントの方向性は間違いでなくても、結果が伴わなければ、ただの“客寄せパンダ”のそしりは免れないだろう。球団としても新外国人以外にさしたる補強は行っていない。BIG BOSSの人気だけにあやかっていてはチームの再建は難しい。


個人の力量不足を補う手立てを講じられるか


 ここまでの戦いを振り返ると、低迷の要因は見えている。

 チーム得点36はリーグ最下位だが14試合で5度の完封負けが痛すぎる。バントや走塁ミスなど初歩的なプレーが出来ず、チャンスにもあと一本が打てない。対戦投手との相性などを考慮して、毎試合先発メンバーや打順を入れ替えているが、特にクリーンアップくらいは固定しないと落ち着いた戦いは出来ない。

 5度の零敗の内、4度はエースの上沢直之と伊藤大海の先発日に喫しているのも不思議な巡り合わせと言うしかない。指揮官はソフトバンク・千賀滉大、オリックス・山本由伸らの絶対エースとの対決を避けて、白星を掴み取る作戦を公言していたが結果は裏目に終わっている。

 一方で12敗をチェックすると、3点差以内の敗戦が10試合に上る。思ったほどのワンサイドゲームではない。このあたりを首脳陣がどう分析して、今後の戦いに生かしていくか。個人の力量不足は戦前からある程度わかっていたはずだから、それを補う手立てを講じていくしかない。

 目下、打撃絶好調の松本剛選手に、ドラフト8位ルーキー、北山亘基投手が2勝1セーブと大車輪の働きを見せるなど“新庄チルドレン”の成長も見られる。

「僕はいいから、選手に話を聞いてあげて」。勝ちゲームのBIG BOSSは選手優先を口にする。

 指揮官だけが目立ったチームは、選手が結果を出してこそ生まれ変わる。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

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