野球一色になるMLBのオールスターウィーク
レギュラーシーズン162試合を戦うMLBも折り返しの時期になり、日本時間の15日にはオールスターゲームが行われる。
ファン投票でサンフランシスコ・ジャイアンツの青木宣親がナ・リーグ外野手部門で4位になったが、選手間投票や監督推薦でも選ばれず、4年ぶりに日本人選手がゼロの球宴となる。
MLBのオールスターゲームが始まったのは1933年のこと。野球ファンの少年が「ニューヨーク・ヤンキースのベーブ・ルースとニューヨーク・ジャイアンツのカール・ハッベルの対決が見たい」という投書を新聞社に送ったのがきっかけと言われている。当時、ヤンキースとジャイアンツは所属リーグが異なり、ワールドシリーズでなければ対戦がなかったのだ。
1959年から1962年までは基金などを増やすために年2試合開催されていたが、不評のため1963年からは年1試合に戻された。
MLBには現在30チームあるため、年1試合の開催ということはその都市でオールスターゲームが開かれるのは単純計算で30年に1度しかない(ニューヨークやシカゴなど複数球団がある都市は除く)。今年行われるシンシナティでは27年ぶりのオールスターゲームだ。近
年は開催地が持ち回りではなく立候補制となっているため、以前より短い間隔で開催されることもあるが、地域をあげて盛り上がることに変わりはない。
アメリカでは、オールスターゲームが開催される一週間ほど前から『オールスターウィーク』と銘打ち、様々なイベントでファンを楽しませる。
オールスターゲームの前々日には、マイナーリーガーを「アメリカ出身」と「世界選抜」に分けたマイナー版オールスターゲームが行われる。日本で言うならばフレッシュオールスターである。
さらに前日にはホームラン競争が行われ、最終日にいよいよオールスターゲームといった流れだ。
駆け足で試合が行われる感もある日本のオールスター
一方、日本のオールスターゲームは年に2、3試合あるため、数年に一度は各チームの本拠地で開催される。地方球場で開催されることもあるが、全体的に駆け足で試合が行われる感が否めない。
財源の確保など様々な問題はあるだろうが、日本でも年1試合にしてオールスターウィークを盛り上げることもできるのではないだろうか。フレッシュオールスターを同じ都市で開催することもできるだろうし、先日行われたNPB若手選抜と大学日本代表の試合を『オールスターウィーク』の中に組み込むのも一案だろう。
他にもOBによるトークショーや野球教室など、アイデアは考えればたくさん浮かんでくる。12球団の本拠地以外で開催すれば、野球人気の向上にもつながるのではないだろうか。
近年は日本でも各球団が趣向をこらし、レギュラーシーズン中に様々なイベントが行われるようになった。そういったノウハウをオールスターゲームにも取り入れてほしいと願っている。
文=京都純典(みやこ・すみのり)