巨人のガチ補強が着々と進んでいる。
すでに入団発表が行われた山口俊(DeNA)、森福允彦(ソフトバンク)に続き、陽岱鋼(日本ハム)の契約も秒読み段階で史上初のFA選手3人同時獲得へ。これに加えて新外国人選手は13年に楽天でプレーしたケーシー・マギーと契約合意、さらに先週末には一部スポーツ紙で抑え候補としてアルキメデス・カミネロ(マリナーズ)が獲得最有力候補として報じられた。
仮にカミネロの入団となれば、来季チームに在籍する支配下登録の外国人選手は計6名となる。それぞれの16年成績と年俸は以下の通りだ。
<投手>
マシソン(33歳・6年目)
年俸:2億8500万円
70試 8勝4敗1S 49HP 防2.36
マイコラス(29歳・3年目)
年俸:2億4000万円
14試 4勝2敗 防2.45
<内野手>
クルーズ(33歳・2年目)
年俸:2億4000万円
82試 率.252 本11 点37 OPS.689
マギー(35歳・1年目)
年俸:1億9300万円
116試 率.317 本6 点50 OPS.816
(※3A・トレドでの成績)
<外野手>
ギャレット(36歳・2年目)
年俸:1億6000万円
123試 率.258 本24 点68 OPS.813
<投手>
カミネロ(30歳)
今季年俸6100万円
57試 2勝3敗1S 8HP 防3.56
(※パイレーツ、マリナーズでの成績)
※年齢は2017年の満年齢
※金額はすべて推定
※カミネロの去就は12/12現在未確定
マシソンは在籍5年でなんと通算300試合登板、タフすぎる男は今季もブルペンの柱としてフル回転すると49HPを挙げ3年ぶり2度目の最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得。将来的なメジャー復帰希望を示唆し去就が注目されたが、年俸約1億円アップの2億8500万円で残留。オフシーズンは巨人若手投手をアリゾナの自宅に招待するなどチームメイトからの信頼も厚く、来季1軍は確定的だろう。
そして、マイコラスは17年シーズンが2年契約2年目。15年最高勝率投手も今季は右肩違和感で開幕に間に合わず復帰は6月25日DeNA戦と大幅に出遅れた。それでも14試合、91回2/3を投げて防御率2.45と安定感は抜群。さりげなく美人妻ローレンさんも著書発売。そのポテンシャルは図抜けており、体調さえ万全ならば来季もエース菅野智之、二桁勝利を挙げた21歳サウスポー田口麗斗、FA移籍してきた山口俊らとともに先発ローテの中心的存在として期待が懸かる。
というわけで、実績面から見てもマシソンとマイコラスは1軍決定的。実質残り2枠をクルーズ、マギー、ギャレット、カミネロの4名で争うことになる。恐らく、彼らの起用法はその時のチーム状況により流動的になるのではないだろうか。
例えば、二塁で起用した若手選手に結果が出なければクルーズを先発起用するだろうし、ファースト阿部慎之助とサード村田修一に何かアクシデントがあれば代役としてマギーが重宝されるはずだ。クローザー3年目を迎える澤村拓一が今季のように不安定な投球が続くようなら、剛腕カミネロのクローザー起用も現実味を帯びてくる。
今季24本塁打を放ち2年目を迎えるギャレットは、年俸3億500万円から大幅ダウンの1億6000万円で残留。DeNAとのCSでは11打数無安打と完全に攻略され、その条件的にも4番打者として開幕戦を迎えた今季とは置かれた立場も大きく変わってくるはずだ。
ライト長野久義と仮にセンター陽岱鋼が入団となったら、外野のポジションは残り1つ。若手プロスペクトの岡本和真のレフト起用も濃厚で、2年目のギャレ砲には外国人枠争いと同時に激しいレギュラー争いが待ち受ける。
由伸巨人の命運を握る総額約12億円の助っ人軍団が戦う、12球団で最も熾烈なチーム内バトルロイヤル。果たして、生き残るのは誰なのか? 彼らの存在が2017年セリーグペナントレースの行方を大きく左右することだろう。
文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)
すでに入団発表が行われた山口俊(DeNA)、森福允彦(ソフトバンク)に続き、陽岱鋼(日本ハム)の契約も秒読み段階で史上初のFA選手3人同時獲得へ。これに加えて新外国人選手は13年に楽天でプレーしたケーシー・マギーと契約合意、さらに先週末には一部スポーツ紙で抑え候補としてアルキメデス・カミネロ(マリナーズ)が獲得最有力候補として報じられた。
熾烈な“仮想”外国人枠争い
<投手>
マシソン(33歳・6年目)
年俸:2億8500万円
70試 8勝4敗1S 49HP 防2.36
マイコラス(29歳・3年目)
年俸:2億4000万円
14試 4勝2敗 防2.45
<内野手>
クルーズ(33歳・2年目)
年俸:2億4000万円
82試 率.252 本11 点37 OPS.689
マギー(35歳・1年目)
年俸:1億9300万円
116試 率.317 本6 点50 OPS.816
(※3A・トレドでの成績)
<外野手>
ギャレット(36歳・2年目)
年俸:1億6000万円
123試 率.258 本24 点68 OPS.813
<投手>
カミネロ(30歳)
今季年俸6100万円
57試 2勝3敗1S 8HP 防3.56
(※パイレーツ、マリナーズでの成績)
※年齢は2017年の満年齢
※金額はすべて推定
※カミネロの去就は12/12現在未確定
2つの枠は決定的
マシソンは在籍5年でなんと通算300試合登板、タフすぎる男は今季もブルペンの柱としてフル回転すると49HPを挙げ3年ぶり2度目の最優秀中継ぎ投手のタイトル獲得。将来的なメジャー復帰希望を示唆し去就が注目されたが、年俸約1億円アップの2億8500万円で残留。オフシーズンは巨人若手投手をアリゾナの自宅に招待するなどチームメイトからの信頼も厚く、来季1軍は確定的だろう。
そして、マイコラスは17年シーズンが2年契約2年目。15年最高勝率投手も今季は右肩違和感で開幕に間に合わず復帰は6月25日DeNA戦と大幅に出遅れた。それでも14試合、91回2/3を投げて防御率2.45と安定感は抜群。さりげなく美人妻ローレンさんも著書発売。そのポテンシャルは図抜けており、体調さえ万全ならば来季もエース菅野智之、二桁勝利を挙げた21歳サウスポー田口麗斗、FA移籍してきた山口俊らとともに先発ローテの中心的存在として期待が懸かる。
というわけで、実績面から見てもマシソンとマイコラスは1軍決定的。実質残り2枠をクルーズ、マギー、ギャレット、カミネロの4名で争うことになる。恐らく、彼らの起用法はその時のチーム状況により流動的になるのではないだろうか。
チーム事情に応じて…
例えば、二塁で起用した若手選手に結果が出なければクルーズを先発起用するだろうし、ファースト阿部慎之助とサード村田修一に何かアクシデントがあれば代役としてマギーが重宝されるはずだ。クローザー3年目を迎える澤村拓一が今季のように不安定な投球が続くようなら、剛腕カミネロのクローザー起用も現実味を帯びてくる。
今季24本塁打を放ち2年目を迎えるギャレットは、年俸3億500万円から大幅ダウンの1億6000万円で残留。DeNAとのCSでは11打数無安打と完全に攻略され、その条件的にも4番打者として開幕戦を迎えた今季とは置かれた立場も大きく変わってくるはずだ。
ライト長野久義と仮にセンター陽岱鋼が入団となったら、外野のポジションは残り1つ。若手プロスペクトの岡本和真のレフト起用も濃厚で、2年目のギャレ砲には外国人枠争いと同時に激しいレギュラー争いが待ち受ける。
由伸巨人の命運を握る総額約12億円の助っ人軍団が戦う、12球団で最も熾烈なチーム内バトルロイヤル。果たして、生き残るのは誰なのか? 彼らの存在が2017年セリーグペナントレースの行方を大きく左右することだろう。
文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)