いよいよCS進出が目前
18日に横浜スタジアムで行われた広島戦。今シーズンのチャンピオンチームを相手に延長10回サヨナラ勝ちで勝利を収めたDeNA。4位のヤクルトが敗れたため、これで球団初のクライマックスシリーズ(以下CS)進出に王手をかけた。
プロ野球12球団で唯一CSの出場経験がなかったDeNA。今年はアレックス・ラミレス新監督の下で若い才能が躍動。後半の失速もなく、いよいよ11年ぶりのAクラスが見えてきた。
このままいけば、1stステージでは敵地・東京ドームに乗り込み、巨人と対戦することになるが、“下克上”を目指すチームにはもちろん不安要素もある。
昨日の試合でも...
ホセ・ロペスのサヨナラ3ランで劇的勝利を収めた18日のゲームでも、それは垣間見えた。“守護神・山崎康晃の出来”である。
3-2と1点リードで迎えた9回、マウンドに上がったのはもちろん山崎。いつものように大音量のZombie Nationが流れ、満員の本拠地が一体となって揺れる「ヤスアキジャンプ」と共に登場してきた。
ところが先頭の松山に安打を許すと、内野ゴロを挟んで会沢にも安打。一死一三塁となると、9番の西川に犠飛を許して同点。リードを守ることができなかった。
CSまでにトンネルを抜け出せるか
昨年はルーキーイヤーながらストッパーとして大車輪の活躍を見せ、新人王にも輝いた右腕。今シーズンも56試合の登板で31セーブをマークし、2年連続で30セーブをクリアしているものの、防御率は3.79。昨年の1.92から跳ね上がってしまっている。
序盤こそ快調な滑り出しを見せたものの、8月に入ると大不振。8月最初の登板となった2日の阪神戦から4試合連続で計10失点。月間9試合の登板のうち、実に6試合で失点を喫してしまった。
それでも、セーブ機会でも温存するなどのラミレス監督の対策も功を奏し、9月はここまで9試合で2失点。4セーブとトンネルの出口が見えつつあるのも事実だ。
打線はセ・リーグ二冠をひた走る筒香を中心に、30発も見えてきたロペスなど、良い勢いでここまで来ている。あとは守護神に昨年のような絶対的な力が戻れば...。ポストシーズンで一気に台風の目となる可能性は秘めたチームなのは間違いない。
まずは目前に迫った出場権を確保すること。そしてその先のステージへ――。“球団初”に挑むDeNAの最後のスパートから目が離せない。