【第97回全国高校野球選手権大会・11日目】
● 健大高崎 3 - 4 秋田商 ○
大会11日目を迎えた甲子園。足や小技を絡めた揺さぶりで相手の守備のリズムを崩す「機動破壊」がスローガンの健大高崎(群馬)と、地方大会から甲子園初戦までの5試合でわずか8失点と安定した守備で勝ち上がってきた秋田商(秋田)という"足"対"守備"の構図の対戦。
秋田商は初戦に続き成田が登板。成田翔は左のスリークォータからノビのある直球を低めへ制球し、初戦の相手、龍谷から16三振を奪った好投手だ。健大高崎は1回裏、2番林がショートへの内野安打で出塁する。林は飛び出すような動きなどで成田に揺さぶりをかけ、3番相馬への5球目に盗塁成功。二死二塁となって、4番柴引がスライダーをセンター前へ運び先制点を得る。健大高崎の各打者は、成田翔のスライダーに狙いを定めている模様。
2回表。先制された秋田商はすぐさま健大高崎の先発、右サイドハンドの橋詰を攻める。一死から5番成田翔がヒットで出塁すると、7番の成田和が四球を選び一、二塁。二死となるが、8番近野がセンターの頭上を越す2点適時打で逆転に成功した。
3回は両チームとも無得点で迎えた4回表の秋田商の攻撃。2連打とエラーで無死満塁の大チャンスを演出すると、7番成田和が初球をスクイズ。これが決まり3ー1となる。
健大高崎は6回表にエースの川井をマウンドへ。この回を3者連続三振に切って取る。続く7回にはフライを捕球する際にセンター春日とライト宮本が交錯するアクシデントがあったものの、8回まで一人もランナーを許さない圧巻のピッチングを披露する。
いいリズムができた健大高崎は8回裏、一死から2番林、3番相馬の連続安打で一、二塁とすると、4番柴引への初球でダブルスチールを敢行。キャッチャーの3塁への送球が悪送球となり、1点差に。さらに柴引が3-3の同点に追いつくライトへのタイムリーヒットを放つ。秋田商は同点とされたものの、この回だけで3度の守備のタイムをすべて使い、勝ち越しは許さない。9回はお互い得点できず試合は延長戦へ。
10回表、二死から1番会田が左中間へのツーベースを放ち、ここまで抑え込まれていた川井から初めてのランナーを出す。その後、ワイルドピッチで会田が三塁へ進むと、2番の草なぎがスライダーをレフト前へ運び、勝ち越しに成功する。そして成田翔は10回裏もマウンドへ。先頭の柴引に安打で出塁を許すも後続を断ち切り、秋田商がベスト8へ駒を進めた。
秋田商はキャッチャーの工藤が2回裏に健大高崎の盗塁を防いだのが大きかった。8回には守備のミスもあり同点に追いつかれたが、健大高崎のランナーの大きいリードや、再三のセーフティーバントなどの揺さぶりにも秋田商ナインが落ち着いて処理し続けたことで勝利をたぐり寄せた。健大高崎もリリーフしたエースの川井の投球や、最後まで「機動破壊」を貫いた姿勢はさすがだった。
文=朝倉尚
● 健大高崎 3 - 4 秋田商 ○
大会11日目を迎えた甲子園。足や小技を絡めた揺さぶりで相手の守備のリズムを崩す「機動破壊」がスローガンの健大高崎(群馬)と、地方大会から甲子園初戦までの5試合でわずか8失点と安定した守備で勝ち上がってきた秋田商(秋田)という"足"対"守備"の構図の対戦。
秋田商は初戦に続き成田が登板。成田翔は左のスリークォータからノビのある直球を低めへ制球し、初戦の相手、龍谷から16三振を奪った好投手だ。健大高崎は1回裏、2番林がショートへの内野安打で出塁する。林は飛び出すような動きなどで成田に揺さぶりをかけ、3番相馬への5球目に盗塁成功。二死二塁となって、4番柴引がスライダーをセンター前へ運び先制点を得る。健大高崎の各打者は、成田翔のスライダーに狙いを定めている模様。
2回表。先制された秋田商はすぐさま健大高崎の先発、右サイドハンドの橋詰を攻める。一死から5番成田翔がヒットで出塁すると、7番の成田和が四球を選び一、二塁。二死となるが、8番近野がセンターの頭上を越す2点適時打で逆転に成功した。
3回は両チームとも無得点で迎えた4回表の秋田商の攻撃。2連打とエラーで無死満塁の大チャンスを演出すると、7番成田和が初球をスクイズ。これが決まり3ー1となる。
健大高崎は6回表にエースの川井をマウンドへ。この回を3者連続三振に切って取る。続く7回にはフライを捕球する際にセンター春日とライト宮本が交錯するアクシデントがあったものの、8回まで一人もランナーを許さない圧巻のピッチングを披露する。
いいリズムができた健大高崎は8回裏、一死から2番林、3番相馬の連続安打で一、二塁とすると、4番柴引への初球でダブルスチールを敢行。キャッチャーの3塁への送球が悪送球となり、1点差に。さらに柴引が3-3の同点に追いつくライトへのタイムリーヒットを放つ。秋田商は同点とされたものの、この回だけで3度の守備のタイムをすべて使い、勝ち越しは許さない。9回はお互い得点できず試合は延長戦へ。
10回表、二死から1番会田が左中間へのツーベースを放ち、ここまで抑え込まれていた川井から初めてのランナーを出す。その後、ワイルドピッチで会田が三塁へ進むと、2番の草なぎがスライダーをレフト前へ運び、勝ち越しに成功する。そして成田翔は10回裏もマウンドへ。先頭の柴引に安打で出塁を許すも後続を断ち切り、秋田商がベスト8へ駒を進めた。
秋田商はキャッチャーの工藤が2回裏に健大高崎の盗塁を防いだのが大きかった。8回には守備のミスもあり同点に追いつかれたが、健大高崎のランナーの大きいリードや、再三のセーフティーバントなどの揺さぶりにも秋田商ナインが落ち着いて処理し続けたことで勝利をたぐり寄せた。健大高崎もリリーフしたエースの川井の投球や、最後まで「機動破壊」を貫いた姿勢はさすがだった。
文=朝倉尚