高卒4年目の昨季、中日から戦力外を受けた巨人の吉川大幾が、14日の古巣・中日戦に、『2番・三塁』でスタメン出場し、3安打2打点と強烈な恩返し。吉川だけでなく近年、中日をトレードや戦力外で去った野手が、他球団で活躍するケースが意外と多い。

　野手の成功例では鉄平（オリックス）だろう。中日時代は代走や守備固めがメインだったが、05年オフに金銭トレードで楽天へ移籍。移籍1年目からレギュラーに定着し、09年には首位打者を獲得。近年は精彩を欠いているが、これまで3度打率3割を記録している。

　02年ドラフト1位で入団した森岡良介（ヤクルト）は、中日時代に荒木雅博、井端弘和と当時球界を代表する二遊間がいたこともあり、一軍に定着することができず、08年シーズン終了後に中日を戦力外となった。森岡は09年から中日と同じセ・リーグのヤクルトでプレーする。レギュラー確保に至っていないが、中日時代よりも多くチャンスを与えられ3年連続で100試合に出場中。2014年シーズンからは選手会長も務めている。

　今季でいえば、岩崎恭平（オリックス）、堂上剛裕（巨人）の2人もいい働きを見せる。岩崎は昨季途中にオリックスへトレード移籍。今季はここまで23試合の出場だが、8月に入りスタメンで出場する機会が増え、打率.297をマークし、4本塁打を記録。レギュラー定着を目指し奮闘中だ。堂上は、代打で出場した8月12日のDeNA戦で満塁弾を放つなど、代打で良い働きを見せている。

　中日の若手が伸び悩んでいる中、20代で中日を去った野手たちの活躍ぶりが目立つ。練習量の多い中日での経験が、他球団で活かされているといえそうだ。

移籍後活躍した主な選手

鉄平（中日在籍期間2001～2005）19歳～23歳
【中日時代】52試 率.185 本0 点0
【移籍後ベスト】132試　率.327　本12　点76（09楽天）

田上秀則（中日在籍期間2002～2005）23歳～26歳
【中日時代】13試 率.111 本0 点1
【移籍後ベスト】138試 率.251 本26 点80（09ソフトバンク）

森岡良介（中日在籍期間　2003～2008）19歳～24歳
【中日時代】39試 率.167 本1 点2
【移籍後ベスト】100試 率.276 本2 点31（14ヤクルト）

新井良太（中日在籍期間2006～2010）23歳～27歳
【中日時代】124試 率.191 本1 点4
【移籍後ベスト】119試 率.238 本14 点51（13阪神）

堂上剛裕（中日在籍期間2003～2014）19歳～29歳
【中日時代】305試 率.264 本10 点67
【今季成績】43試 率.259 本3 点13（15巨人）

吉川大幾（中日在籍期間2011～2014）19歳～22歳
【中日時代】34試 率.143 本0 点1
【今季成績】36試 率.286 本1 点4（15巨人）

岩崎恭平（中日在籍期間2009～2014）23歳～28歳
【中日時代】78試 率.205 本1 点2
【今季成績】23試 率.297 本4 点8（15オリックス）

※成績は8月14日時点