【第97回全国高校野球選手権大会・11日目】
○ 興南 4 - 3 鳥羽 ●
ベスト8最後のイスを賭けた一戦は興南(沖縄)と鳥羽(京都)が激突。興南の先発・比屋根は変則トルネードの左腕。さらに一塁側にインステップして投げ込んでくるだけに、左打者は球の出どころが見づらい。鳥羽のスタメンに6人並ぶ右打者がカギとなりそうだ。
最初にスコアが動いたのは2回裏の興南の攻撃。4番喜納のゴロをセカンドの中嶋が悪送球。ボールデッドとなり、喜納は二塁まで進む。5番石川もヒットで続き、無死一、三塁。その石川は盗塁し、二、三塁とする。さらに6番佐久本がセンター前にタイムリーヒットを放つ。二塁走者石川もホームを狙うが、センターからの好返球で2点目はならず。後続も倒れたが、興南が先制する。
先制された鳥羽だがすぐさま反撃に出る。3回表一死から8番宮西が死球で出塁する。二死となるが、1番田淵がセーフティーバントを決め、ここでベースが空いているのを見逃さず一気に二塁まで陥れる。次打者が四球で満塁となり、3番伊那が外角の甘いストレートをレフト線に運ぶ。これが2点適時打となって逆転に成功した。
4回はお互い無得点。次に試合に大きな動きがあったのが5回表の鳥羽の攻撃時。先頭の9番松尾がセンター前ヒット、1番の田淵が一塁側へバントをするがこれを処理したファーストの喜納が悪送球をしてしまい、無死一、二塁。鳥羽はさらに送りバントで一死二、三塁となり、3番の伊那が低めのストレートをセンターにきっちりとフライを打ち上げ、タッチアップで1点を追加した。鳥羽はここまでの全打点を伊那が上げる。スコアは1ー3。
リードを広げられた興南は6回裏にチャンスを作る。先ほど悪送球の4番喜納が汚名返上のヒットで出塁すると、続く途中出場の高良が外角のストレートを逆らわずに右中間へ弾き返し、一死二、三塁とする。6番佐久本はショートゴロだが、ここは鳥羽が無理せず一塁でアウトを取る。その間に喜納がホームインして再び1点差。さらに興南は7回裏、先頭の8番二宮がセンターへの二塁打。一死となるが、1番比嘉がセンターへのヒット。2番仲の3球目にスクイズを敢行するが失敗。鳥羽は二死までこぎ着ける。しかし仲がレフトへのタイムリースリーベースを放ち同点とする。この回ヒットを打った3人はいずれも変化球を叩いた。
流れは追いついた興南に。8回裏、高良が2打席連続のヒットで出塁し、続く佐久本が送りバント。佐久本へタッチした際にボールがこぼれ、それを見た高良は三塁まで進む。ボールがこぼれたのはタッチ後と判定されて佐久本はアウト。一死三塁。7番砂川が2ー2からの5球目をレフト前へ運び、ついに興南が逆転する。追い込まれた鳥羽は9回表、6番南に代打、河合を送り出すがライトフライ。続く中嶋はレフトフライ、宮西もライトフライとなり万事休す。興南が逆転でベスト8最後の1枠を手にした。
鳥羽の投手の松尾は4失点で敗れたが、守備のミスが出ても失点はすべて1点ずつと粘り強いピッチングを披露した。勝った興南は優勝した2010年以来のベスト8。
なお、本日の試合はすべて1点差という好ゲームが続く1日となった。
文=朝倉尚
○ 興南 4 - 3 鳥羽 ●
ベスト8最後のイスを賭けた一戦は興南(沖縄)と鳥羽(京都)が激突。興南の先発・比屋根は変則トルネードの左腕。さらに一塁側にインステップして投げ込んでくるだけに、左打者は球の出どころが見づらい。鳥羽のスタメンに6人並ぶ右打者がカギとなりそうだ。
最初にスコアが動いたのは2回裏の興南の攻撃。4番喜納のゴロをセカンドの中嶋が悪送球。ボールデッドとなり、喜納は二塁まで進む。5番石川もヒットで続き、無死一、三塁。その石川は盗塁し、二、三塁とする。さらに6番佐久本がセンター前にタイムリーヒットを放つ。二塁走者石川もホームを狙うが、センターからの好返球で2点目はならず。後続も倒れたが、興南が先制する。
先制された鳥羽だがすぐさま反撃に出る。3回表一死から8番宮西が死球で出塁する。二死となるが、1番田淵がセーフティーバントを決め、ここでベースが空いているのを見逃さず一気に二塁まで陥れる。次打者が四球で満塁となり、3番伊那が外角の甘いストレートをレフト線に運ぶ。これが2点適時打となって逆転に成功した。
4回はお互い無得点。次に試合に大きな動きがあったのが5回表の鳥羽の攻撃時。先頭の9番松尾がセンター前ヒット、1番の田淵が一塁側へバントをするがこれを処理したファーストの喜納が悪送球をしてしまい、無死一、二塁。鳥羽はさらに送りバントで一死二、三塁となり、3番の伊那が低めのストレートをセンターにきっちりとフライを打ち上げ、タッチアップで1点を追加した。鳥羽はここまでの全打点を伊那が上げる。スコアは1ー3。
リードを広げられた興南は6回裏にチャンスを作る。先ほど悪送球の4番喜納が汚名返上のヒットで出塁すると、続く途中出場の高良が外角のストレートを逆らわずに右中間へ弾き返し、一死二、三塁とする。6番佐久本はショートゴロだが、ここは鳥羽が無理せず一塁でアウトを取る。その間に喜納がホームインして再び1点差。さらに興南は7回裏、先頭の8番二宮がセンターへの二塁打。一死となるが、1番比嘉がセンターへのヒット。2番仲の3球目にスクイズを敢行するが失敗。鳥羽は二死までこぎ着ける。しかし仲がレフトへのタイムリースリーベースを放ち同点とする。この回ヒットを打った3人はいずれも変化球を叩いた。
流れは追いついた興南に。8回裏、高良が2打席連続のヒットで出塁し、続く佐久本が送りバント。佐久本へタッチした際にボールがこぼれ、それを見た高良は三塁まで進む。ボールがこぼれたのはタッチ後と判定されて佐久本はアウト。一死三塁。7番砂川が2ー2からの5球目をレフト前へ運び、ついに興南が逆転する。追い込まれた鳥羽は9回表、6番南に代打、河合を送り出すがライトフライ。続く中嶋はレフトフライ、宮西もライトフライとなり万事休す。興南が逆転でベスト8最後の1枠を手にした。
鳥羽の投手の松尾は4失点で敗れたが、守備のミスが出ても失点はすべて1点ずつと粘り強いピッチングを披露した。勝った興南は優勝した2010年以来のベスト8。
なお、本日の試合はすべて1点差という好ゲームが続く1日となった。
文=朝倉尚