ヤクルトの山田哲人は22日、プロ野球タイ記録となる4打数連続本塁打を達成。ド派手にセ最速での“大台”到達を果たした。
神宮球場で行われた中日との21回戦に3番で先発出場した山田。初回の第1打席で中日先発・浜田達郎の変化球を振りぬき、レフトスタンドへ運ぶ29号の一発を放つと、5回無死二塁で迎えた第3打席では、3番手・朝倉が投じた高めのボールを強引に引っ張り、これまたレフトスタンドへ第30号の2ラン。セ・リーグ最速で大台の30本に乗せてみせる。
さらに6回、二死一三塁の場面で山本雅士からまたもレフトスタンドへ放り込む31号の一発を放ち、21日の最終打席から四球をひとつ挟んでの4打数連続本塁打を達成。過去18人が成し遂げたプロ野球記録に並んだ。
結局この日は4打数4安打、3本塁打で7打点。まるでゲームのような成績。その勢いは留まるところを知らず、これから様々な記録への挑戦に期待がかかる山田。ここでは、山田が今後直面していくであろう5つの偉業をピックアップした。
1. 球団58年ぶりの『日本人本塁打王』
ヤクルトにはバレンティンやラミレス、ペタジーニといった優良助っ人が多く在籍した歴史があり、本塁打王も多く輩出してきたチームではあるのだが、その陰で日本人スラッガーというのはなかなか頭角を現すことができていなかった。
球団の日本人で本塁打王を獲得した選手というのは、1957年の佐藤孝夫が最後。当時の球団名は国鉄スワローズであり、“ヤクルト”となってからは未だに出ていないのだ。
球団58年ぶりの、そしてヤクルト初の日本人本塁打王へ…。山田にかかる期待は大きい。
1957年 22本 佐藤孝夫(国鉄)
1989年 42本 パリッシュ(ヤクルト)
1992年 38本 ハウエル(ヤクルト)
1997年 38本 ホージー(ヤクルト)
1999年 41本 ペタジーニ(ヤクルト)
2001年 39本 ペタジーニ(ヤクルト)
2003年 40本 ラミレス(ヤクルト)
2011年 31本 バレンティン(ヤクルト)
2012年 31本 バレンティン(ヤクルト)
2013年 60本 バレンティン(ヤクルト)
2. 史上9人目の『3割・30本・30盗塁』
打つだけではない、走ることができるのも山田哲人の魅力だ。
大ブレイクした昨年は15盗塁に終わったことを受け、今年はキャンプから“走り”に関しての意識改革を徹底。スペシャリストであった福地寿樹コーチとの練習が実を結び、今シーズンはここまで25盗塁をマークして盗塁王争いを引っ張っている。
打率も3割を超えており、本塁打も30本に到達。残り30試合で5つ盗塁を決めることができれば、長いプロ野球の歴史の中でも8人しか達成者がいない“トリプルスリー”をクリアすることができる。
1950年 別当 薫(毎日) 率.335 本43 盗34
1953年 中西 太(西鉄) 率.314 本36 盗36
1983年 簑田浩二(阪急) 率.312 本32 盗35
1989年 秋山幸二(西武) 率.301 本31 盗31
1995年 野村謙二郎(広島)率.315 本32 盗30
2000年 金本知憲(広島) 率.315 本30 盗30
2002年 松井稼頭央(西武)率.332 本36 盗33
(3)史上8人目の三冠王
首位打者・本塁打王・打点王の主要3タイトルをすべて獲得すること。最強打者の称号としてポピュラーなのが三冠王である。
山田の打率.334はリーグ2位の数字で、本塁打31は1位、打点も22日の1試合7打点で79まで伸ばし、1位と5差のリーグ2位。すべてくっきりと射程圏に捉えている状態だ。
三冠王は過去7人が達成。山田がクリアすると松中信彦以来で11年ぶり、セ・リーグでは29年ぶりの快挙となる。
1965年 野村克也(南海) 率.320 本42 点110
1973年 王 貞治(巨人) 率.355 本51 点114
1974年 王 貞治(巨人) 率.332 本49 点107
1982年 落合博満(ロッテ)率.325 本32 点99
1984年 ブーマー(阪急) 率.355 本37 点130
1985年 落合博満(ロッテ)率.367 本52 点146
1985年 バース (阪神) 率.350 本54 点134
1986年 落合博満(ロッテ)率.360 本50 点116
1986年 バース (阪神) 率.389 本47 点109
2004年 松中信彦(ダイエー)率.358 本44 点120
(4)プロ野球史上初の『本塁打王&盗塁王』
トリプルスリーの達成者は過去に8人いたものの、本塁打王と盗塁王のタイトルを同時に獲得した選手というのは、実は長い球史の中でも一人もいない。
最も近づいたのは元西武の秋山幸二。秋山は87年に43本塁打で本塁打王を獲得し、90年には51盗塁で盗塁王も獲得。それでも、同一年に同時受賞することはできなかった。
山田は現在2位と9本差の31本塁打を放ってホームランダービーをリードし、盗塁も25個で2位と3個差のトップ。このまま走りぬくことができるだろうか。
(5)プロ野球史上初の『40本・40盗塁』
最後は、メジャーでは「40-40(フォーティー・フォーティー)」と呼ばれるこの記録。もとは30本塁打・30盗塁の「30-30クラブ」という集団が作られ、パワーとスピードの両方を兼ね備えた達成者を称えるものであったが、それをも上回る40本塁打・40盗塁の達成者が現れたことで、新たに生まれた指標だ。
メジャーではホセ・カンセコ、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス、アルフォンソ・ソリアーノの4人が達成しているが、これも日本では未だ達成者が出ていない。
残り30試合で9本塁打と15盗塁…。この記録が最も難関と言えそうだ。
出塁率.415 長打率.621 OPS1.036
神宮球場で行われた中日との21回戦に3番で先発出場した山田。初回の第1打席で中日先発・浜田達郎の変化球を振りぬき、レフトスタンドへ運ぶ29号の一発を放つと、5回無死二塁で迎えた第3打席では、3番手・朝倉が投じた高めのボールを強引に引っ張り、これまたレフトスタンドへ第30号の2ラン。セ・リーグ最速で大台の30本に乗せてみせる。
さらに6回、二死一三塁の場面で山本雅士からまたもレフトスタンドへ放り込む31号の一発を放ち、21日の最終打席から四球をひとつ挟んでの4打数連続本塁打を達成。過去18人が成し遂げたプロ野球記録に並んだ。
結局この日は4打数4安打、3本塁打で7打点。まるでゲームのような成績。その勢いは留まるところを知らず、これから様々な記録への挑戦に期待がかかる山田。ここでは、山田が今後直面していくであろう5つの偉業をピックアップした。
1. 球団58年ぶりの『日本人本塁打王』
ヤクルトにはバレンティンやラミレス、ペタジーニといった優良助っ人が多く在籍した歴史があり、本塁打王も多く輩出してきたチームではあるのだが、その陰で日本人スラッガーというのはなかなか頭角を現すことができていなかった。
球団の日本人で本塁打王を獲得した選手というのは、1957年の佐藤孝夫が最後。当時の球団名は国鉄スワローズであり、“ヤクルト”となってからは未だに出ていないのだ。
球団58年ぶりの、そしてヤクルト初の日本人本塁打王へ…。山田にかかる期待は大きい。
スワローズの本塁打王(※2リーグ制以降)
1955年 31本 町田行彦(国鉄)1957年 22本 佐藤孝夫(国鉄)
1989年 42本 パリッシュ(ヤクルト)
1992年 38本 ハウエル(ヤクルト)
1997年 38本 ホージー(ヤクルト)
1999年 41本 ペタジーニ(ヤクルト)
2001年 39本 ペタジーニ(ヤクルト)
2003年 40本 ラミレス(ヤクルト)
2011年 31本 バレンティン(ヤクルト)
2012年 31本 バレンティン(ヤクルト)
2013年 60本 バレンティン(ヤクルト)
2. 史上9人目の『3割・30本・30盗塁』
打つだけではない、走ることができるのも山田哲人の魅力だ。
大ブレイクした昨年は15盗塁に終わったことを受け、今年はキャンプから“走り”に関しての意識改革を徹底。スペシャリストであった福地寿樹コーチとの練習が実を結び、今シーズンはここまで25盗塁をマークして盗塁王争いを引っ張っている。
打率も3割を超えており、本塁打も30本に到達。残り30試合で5つ盗塁を決めることができれば、長いプロ野球の歴史の中でも8人しか達成者がいない“トリプルスリー”をクリアすることができる。
トリプルスリー達成者
1950年 岩本義行(松竹) 率.319 本39 盗341950年 別当 薫(毎日) 率.335 本43 盗34
1953年 中西 太(西鉄) 率.314 本36 盗36
1983年 簑田浩二(阪急) 率.312 本32 盗35
1989年 秋山幸二(西武) 率.301 本31 盗31
1995年 野村謙二郎(広島)率.315 本32 盗30
2000年 金本知憲(広島) 率.315 本30 盗30
2002年 松井稼頭央(西武)率.332 本36 盗33
(3)史上8人目の三冠王
首位打者・本塁打王・打点王の主要3タイトルをすべて獲得すること。最強打者の称号としてポピュラーなのが三冠王である。
山田の打率.334はリーグ2位の数字で、本塁打31は1位、打点も22日の1試合7打点で79まで伸ばし、1位と5差のリーグ2位。すべてくっきりと射程圏に捉えている状態だ。
三冠王は過去7人が達成。山田がクリアすると松中信彦以来で11年ぶり、セ・リーグでは29年ぶりの快挙となる。
三冠王達成者
1938秋 中島治康(巨人) 率.361 本10 点381965年 野村克也(南海) 率.320 本42 点110
1973年 王 貞治(巨人) 率.355 本51 点114
1974年 王 貞治(巨人) 率.332 本49 点107
1982年 落合博満(ロッテ)率.325 本32 点99
1984年 ブーマー(阪急) 率.355 本37 点130
1985年 落合博満(ロッテ)率.367 本52 点146
1985年 バース (阪神) 率.350 本54 点134
1986年 落合博満(ロッテ)率.360 本50 点116
1986年 バース (阪神) 率.389 本47 点109
2004年 松中信彦(ダイエー)率.358 本44 点120
(4)プロ野球史上初の『本塁打王&盗塁王』
トリプルスリーの達成者は過去に8人いたものの、本塁打王と盗塁王のタイトルを同時に獲得した選手というのは、実は長い球史の中でも一人もいない。
最も近づいたのは元西武の秋山幸二。秋山は87年に43本塁打で本塁打王を獲得し、90年には51盗塁で盗塁王も獲得。それでも、同一年に同時受賞することはできなかった。
山田は現在2位と9本差の31本塁打を放ってホームランダービーをリードし、盗塁も25個で2位と3個差のトップ。このまま走りぬくことができるだろうか。
(5)プロ野球史上初の『40本・40盗塁』
最後は、メジャーでは「40-40(フォーティー・フォーティー)」と呼ばれるこの記録。もとは30本塁打・30盗塁の「30-30クラブ」という集団が作られ、パワーとスピードの両方を兼ね備えた達成者を称えるものであったが、それをも上回る40本塁打・40盗塁の達成者が現れたことで、新たに生まれた指標だ。
メジャーではホセ・カンセコ、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス、アルフォンソ・ソリアーノの4人が達成しているが、これも日本では未だ達成者が出ていない。
残り30試合で9本塁打と15盗塁…。この記録が最も難関と言えそうだ。
山田哲人
113試 率.334 本31 点79 安149 盗25出塁率.415 長打率.621 OPS1.036