高卒5年目の山田哲人（ヤクルト）が、打撃タイトルを全て獲得しそうな勢いだ。打率.334、24本塁打はリーグトップの成績。61打点は、現在打点王の畠山和洋（ヤクルト）に7打点差の3位、安打も川端慎吾（ヤクルト）に次いで2位の122安打を記録している。

　近年、高卒5年目に活躍した選手を見てみると、T－岡田（オリックス）と浅村栄斗（西武）がタイトルを獲得した。T－岡田は、4年目のオフに現在の登録名に変更。伸び悩んでいたが登録名をT－岡田に変更した高卒5年目の2010年に大ブレイク。

　同年に監督就任した岡田彰布監督が、T－岡田を開幕から我慢強く起用。3、4月は、6本塁打を記録するも、打率は.206と低かった。5月に入ると当たりが出始め、交流戦では打率.313、6本塁打26打点の成績を残し、交流戦MVPを受賞。7月には月間MVPを獲得。シーズン終盤に肉離れになるも、33本のアーチを描き本塁打王のタイトルを獲得した。

　浅村は高卒3年目の11年からレギュラーに定着するも、11年と12年は今ひとつの成績だった。5年目の13年は、開幕から好調を維持し、主砲の中村剛也が故障で離脱していたこともあり、4番を務めた。中村が故障から復帰後も4番を打ち続け、浅村は110打点をマークし、打点王に輝いた。

　松井秀喜とイチローといったメジャー経験のある選手たちの高卒5年目の成績は、松井はタイトルを獲れなかったが、打率.307、37本塁打103打点の成績。イチローは、5年目の96年は3年連続首位打者。また、同年リーグ2連覇に大きく貢献し、3年連続でリーグMVPとなった。

　昨季最多安打に輝いた山田は、今季さらに成長を遂げている。高卒5年目の今季、タイトルをどれだけ獲得するのだろうか。
　

主な高卒5年目野手の成績

2010年
T－岡田（オリックス）
高卒5年目成績：129試 率.284 本33 点96

2011年
坂本勇人（巨人）
高卒5年目成績：144試 率.262 本16 点59

2012年
中田翔（日本ハム）
高卒5年目成績：144試 率.239 本24 点77

2013年
浅村栄斗（西武）
高卒5年目成績：144試 率.317 本27 点110

2014年
筒香嘉智（DeNA）
高卒5年目成績：114試 率.300 本22 点77

2015年
山田哲人（ヤクルト）
高卒5年目成績：92試 率.334 本24 点61

松井秀喜とイチローの高卒5年目成績

松井秀喜
高卒5年目成績：135試 率.298 本37 点103（97年）

イチロー
高卒5年目成績：130試 率.356 本16 点84（96年）

※7月29日までの成績