高卒選手の台頭が著しいファイターズという土壌
昨年はパ・リーグで2位となり、今年も「打倒・ソフトバンク」の筆頭候補と目される日本ハム。その日本ハムの大きな特徴として挙げられるのが、「若い高卒選手の相次ぐ台頭、活躍」だ。
その姿勢が顕著に現れるのが、選手獲得を行うドラフト会議での戦略だ。
「その年のナンバーワンの選手を指名する」というコンセプトの下、北海道移転後の2004年以降ではダルビッシュ有、陽岱鋼、吉川光夫、中田翔と1位で指名した選手(※2005年から2007年は高校生と大学・社会人の分離ドラフト)が後にしっかりと主力選手に育っている。
最も印象的なのは、2012年のこと。メジャー志望の大谷翔平を果敢に指名し、粘り強い交渉と説得の末、最終的には入団へと導いた。昨年は交渉権こそ獲得できなかったが、高校No.1投手の呼び声高かった高橋純平を指名するなど、やはり攻めの姿勢にブレがない。
また、下位指名の高卒選手が活躍しているのも特徴のひとつだ。
2008年のドラフトでは、5位で福岡工業高の中島卓也、6位で帝京高の杉谷拳士を指名。当初は無名の存在だった中島は、今ではショートのレギュラーを獲得。そのしぶといバッティングはパ・リーグの投手たちに嫌がれられている。杉谷もグラウンド外での活躍でも人気を博し、もちろんプレー面でも内外野を守れるユーティリティープレーヤーとしてチームに欠かせない存在となった。
他にも、昨年リーグ3位の打率.326を残してブレイクした近藤健介も、2011年のドラフトでは4位、2年前に8勝をマークして頭角を現した上沢直之は同年の6位指名。外野の定位置取りを狙う「かわいすぎるスラッガー」こと谷口雄也も、2010年のドラフト5位指名での入団であった。
目が離せない“フレッシュすぎる外野戦争”
今年の日本ハムで活躍が大いに期待されるのは、高卒2年目の浅間大基だ。
横浜高では1年時からレギュラーとして活躍。高校2年夏の神奈川県大会決勝では、桐光学園・松井裕樹(現楽天)からホームランも放った。
走・攻・守の三拍子揃った外野手としてプロのスカウトからの評価も高く、2年前のドラフト会議で日本ハムが3位指名した。
昨年はルーキーイヤーながらイースタンリーグでその野球センスの高さを見せつけると、5月には陽岱鋼の戦線離脱に伴い一軍へ。5月5日の楽天戦で早くもデビューを飾ると、「2番・センター」で出場してプロ初安打、初盗塁も記録している。
1年目は46試合の出場だったものの、クライマックス・シリーズの舞台も経験。打率.285と高卒選手としては十分と言える結果を残した。
日本ハムの外野陣は、センターの陽岱鋼だけは確定。しかし、残り2つのポジションは浅間を筆頭に西川遥輝、石川慎吾、岡大海、前出の杉谷、谷口などが争う形となっている。
プロ2年目の飛躍を狙う浅間と、期待される若手選手が一堂に介する“激戦区”…。日本ハムのフレッシュな外野戦争から目が離せない。