驚異の42歳!
さすが、イチロー。42歳を迎えた今なお、そのバットコントロールは全く錆びついていなかった。
限られた出番の中でも3割を超える打率を残していたベテランだが、左翼のレギュラーであるクリスチャン・イエリッチが故障で欠場となると、代役のスタメンで大爆発。現地時間21日の試合で4安打の固め打ちを見せると、翌日は2安打、その翌日は4安打と3試合で10安打をマーク。打率は一気に.417まで上昇した。
22日の試合後には、「42歳以上での1試合4安打はピート・ローズ氏以来!」と騒がれ、24日の試合後には「42歳以上での3試合・10安打は122年ぶり!1900年以降では初!」と話題に。
数日間に渡って年齢を連呼された本人は「ほっといてくれ」と笑っていたが、この活躍ぶりを見たマーリンズのドン・マッティングリー監督は頭を悩ませることになりそうだ。
若さか、経験と調子の良さか...
イチローがマーリンズに加入した当初から言われていたのが、「チームには若くて実力のある外野陣が揃っている」ということ。クリスチャン・イエリッチ、マルセル・オズーナ、ジャンカルロ・スタントンからなる外野陣はメジャーでも屈指の陣容であると度々取り上げられていた。
ところが昨シーズンは3人ともに故障を抱えるなど、全員揃っての出場というのはかなり限られた。そしてその分、イチローの出番が予想よりも大幅に増えたという背景がある。
新指揮官が就任した今年も、信頼が厚かったのは上述の3人。イチローは代打での起用がメインとなり、限られた出番ながら“代打の代打”を出されるという屈辱も味わうなど、イチローの立場は昨年よりも厳しかったといえるだろう。
しかし、その外野トリオへの絶対的な信頼は、たしかに揺らぎ始めている。
チームが東地区4位と出遅れた中、主砲のスタントンが打率.214と低迷。本塁打こそ12本を記録しているものの、本調子とは程遠い。さらにここに来てイエリッチが背中の故障により欠場すると、代わりに入ったイチローが大活躍...。そろそろ指揮官も考えを改める時が来たのではないだろうか。
現地報道によると、離脱中のイエリッチもあと数日の間に復帰してくる見込みとされており、そうなった場合にイチローの起用がどうなるのか。注目が集まっている。
直近の固め打ちにより、メジャー通算3000本安打までは残り「40」、日米通算安打のピート・ローズ氏超えもあと「18」まで迫ってきた。当初はほぼほぼ不可能と思われていた2016年シーズンでの3000本安打達成も、徐々に現実味を帯びてきている。
起用法も含め、絶好調・イチローの今後から目が離せない。