投手だけじゃない?野手もメジャーで奮闘中!
海の向こうメジャーリーグが、今年も熱い。
今シーズンは何と言ってもあの男が帰ってきた。レンジャーズのダルビッシュ有である。
1年9カ月ぶりのメジャー復帰戦で5回を3安打、1失点と好投。手術前よりも威力が増したようにも見える速球と多彩な変化球を駆使し、強打者たちをなぎ倒している。
さらに今年からメジャー挑戦中のドジャース・前田健太も好スタートを切り、ヤンキースの田中将大もなかなか勝ち運に恵まれない中で好投を見せる。
他にもマリナーズの岩隈久志や、レッドソックスのブルペンを支える上原浩治に田沢純一と、今年も日本人投手の安定した働きが光っている。
さて、一方の野手はどうだろうか。近年苦しい戦いが続き、人数も減少していった日本人の野手は、今ではマーリンズのイチローとマリナーズの青木宣親の2人だけ。この2人が“残った”という形だ。
共に日本を代表するヒットメーカーとして海を渡り、メジャーの強打者たちの中でその存在感を発揮。チームにとって必要な存在であり続けている。
イチローと青木が残した功績
イチローの功績は、もはや言うまでもない。メジャーでは2001年と2004年に首位打者を獲得。その年はいずれも最多安打のタイトルも手中に収めている。
2004年にはシーズン262安打を記録し、メジャーの歴代最多安打記録も更新。異国の地で歴史に名を刻んだ。
10月で43歳を迎えるという今シーズンも、レギュラーではないながら48試合の出場で打率.330をマーク。ここまでで36安打を放っており、メジャー通算安打は2971本。開幕前にはとても厳しいと思われていたメジャー通算3000本安打まで残り「29」としており、故障者に代わってスタメン出場も増えている今では不可能な範囲ではなくなってきた。
青木も日本通算8年間で1284安打を記録。3度の首位打者に、2度の最多安打という輝かしい足跡を残して海を渡った。
メジャー移籍後は200安打も打率3割超もないものの、高い出塁率と献身性の高い打撃でチームに貢献。ブリュワーズにはじまりロイヤルズ、ジャイアンツと渡り歩いた先々でリードオフマンとしての地位を築き上げた。
生き残った2人にかかる期待
ここで、これまでの野手の日本人メジャーリーガーを振り返ってみよう。
【日本人メジャーリーガー・野手】
松井稼頭央:630試合 打率.267 32本塁打 211打点
福留孝介:596試合 打率.258 42本塁打 195打点
井口資仁:493試合 打率.268 44本塁打 205打点
城島健司:462試合 打率.268 48本塁打 198打点
岩村明憲:408試合 打率.267 16本塁打 117打点
全員が日本のプロ野球で輝かしい功績を残した選手たちであるが、メジャーの壁に苦しんできた。
それだけに、いま“残った”2人にかかる期待はとてつもなく大きい。自らの戦いはもちろんのこと、これから海を渡ろうとする日本の野手たちに希望を与えるようなプレーを見せなければならないのだ。
帰っていった者たちの無念を晴らし、バトンを未来へと繋いでいくために...。日本が誇る2人の安打製造機は、あすも打席に立つ。