高山がルーキーで唯一のファン投票選出
阪神の高山俊が外野手部門の3位に入り、12球団の新人では唯一、ファン投票での「マツダオールスターゲーム2016」出場を決めた。ここでは、最近10年間、ファン投票でオールスター出場を決めたルーキーを見ていきたい。
直近10年で、新人野手がファン投票でオールスター出場を決めたのは2007年の嶋基宏、2013年の大谷翔平の2人だけ。国学院大から06年ドラフト3位で楽天に入団した嶋のポジションは、試合出場するためには経験が必要といわれる捕手。だが、当時指揮を執っていた野村克也監督は、嶋を我慢強く起用した。オールスターのファン投票では、楽天の捕手部門でノミネートされ、2位の里崎智也(当時ロッテ)を大きく引き離す72万3616票を集め捕手部門1位で選出された。
大谷は13年に外野手部門3位でオールスター出場を決めた。投手と野手を務める二刀流で話題を集めた大谷は、当時投手よりも打者での出場が多く、外野手部門で選出されている。14年以降のオールスターは、投手で出場し、15年と16年は先発部門1位で、オールスター出場を決めている。
また、この10年で野手の新人王は06年の梵英心、09年の松本哲也、10年の長野久義と3人いるが、いずれもファン投票でのオールスター出場は叶わなかった。特に長野は開幕からレギュラーで出場していたが、この年は青木宣親、松本哲也、ラミレスの3人が選出。長野はファン投票、外野手部門の5位に終わった。
投手は3人が1年目からファン投票でオールスター出場
投手はというと07年の田中将大、09年の摂津正、15年の山崎康晃の3人がファン投票でオールスターに出場した。田中は高卒ルーキーでありながら、チーム事情もあり、開幕から先発ローテ入り。前半戦だけで7勝を挙げ、地元開催のオールスターで、ファン投票での出場を果たしている。
また、シンカーを武器に1年目から勝利の方程式の一角を担った摂津は、中継ぎ部門で32万5237票を集め、堂々の1位でオールスター出場を決めた。15年の山崎康晃は、DeNAの守護神として、序盤の快進撃を支え、多くの票を集めた。
投手は先発・中継ぎ・抑えの3部門に分かれているが、特に先発は各球団3人ずつノミネートされ、そこから1人しか選ばれないことを考えると、ファン投票で選出されるか可能性はかなり低い。
野村祐輔(広島)、小川泰弘(ヤクルト)、藤浪晋太郎(阪神)、菅野智之(巨人)などは、1年目から先発ローテの一角を担いオールスター出場を果たしたが、ファン投票での出場は叶わなかった。
ファン投票でオールスター出場を決めた新人(最近10年間)
<投手>
07年 田中将大(楽天)
09年 摂津 正(ソフトバンク)
15年 山崎康晃(DeNA)
<野手>
07年 嶋基宏(楽天)
13年 大谷翔平(日本ハム)
16年 高山俊(阪神)