夏の甲子園連続出場・最長記録は...?
第98回全国高校野球選手権大会が8月7日(月)に開幕する。
甲子園行きの切符をかけた予選が全国各地で繰り広げられているが、24日には聖光学院(福島)が10年連続、作新学院(栃木)が6年連続で甲子園出場を決めた。
1年ごとにメンバーが変わっていく高校野球の中で、両校は長い間その力を維持し、県大会を制覇している。特に聖光学院の10連覇というのは驚異的な数字であるが、これまで97回を数える夏の甲子園の歴史において、これほど長い期間その力を発揮した学校というのはあったのだろうか。
そこで今回は、「全国中等学校優勝野球大会」として1915年にはじまった第1回大会からこれまでを振り返り、最も長い期間つづけて“夏の甲子園”に出場した学校はどこなのかを調査してみた。
果たして、10連覇の聖光学院を超える学校はあるのだろうか……。答えは以下の通り。
【“夏の甲子園”連続出場ベスト3】
1位 和歌山中(和歌山)
☆14大会連続(第1回~第14回)
2位 聖光学院(福島県)
☆10大会連続(第89回~第97回)※継続中
3位 智弁和歌山(和歌山県)
☆8大会連続(第87回~第94回)
1位は、第1回大会から14回大会まで14大会連続で出場した和歌山中(和歌山県)だ。
和歌山中は、出場期間中に第7回・第8回大会と連覇も果たしている。ちなみに、これが初の大会連覇であった。
学制改革を経て、現在は桐蔭高校に変更。桐蔭となって以降、夏は第30回、第43回、第86回と3度甲子園に出場している。
次いで第2位は、今年で福島県大会10連覇を達成した聖光学院。
第89回大会から連続出場を続けている聖光学院であるが、本大会では第90回、第92回、第96回大会のベスト8が最高。ただし、初戦敗退は2度のみと優勝はないものの常連校としての意地を見せている。
果たして、今年こそ頂点までたどり着くことができるだろうか。
第3位に入ったのは、智弁和歌山(和歌山県)だった。
智弁和歌山は、第87回から第94回大会にかけて8年連続で出場。しかし、第95回大会はまさかの3回戦負けを喫し、連続記録にピリオドが打たれた。
ちなみに、その翌年96回大会も県の決勝で市和歌山にサヨナラ負け。県決勝での連勝記録も20でストップし、2年連続で甲子園出場を逃している。
そして昨年は悔しさをバネに3年ぶりに和歌山大会を制覇。21度目の夏・甲子園出場を果たすも、連覇を目指した今年は25日の準々決勝で市和歌山に敗戦。連覇の夢は潰えた。
戦後編では3位に明徳義塾
第1回大会からのトップ3は上記のようになったが、戦後のベスト3を見ると、1位が聖光学院、2位が智弁和歌山で、つづく3位には明徳義塾(高知)が入った。
明徳義塾は、第80回から第86回まで7大会連続で夏の甲子園に出場。第84回大会では、同校初となる全国制覇を成し遂げた。この時、キャプテンだった森岡良介(現ヤクルト)、4番打者の筧裕次郎(元オリックス)は秋のドラフトでプロ入りしている。
ちなみに、明徳義塾は第87回大会も高知県予選を制していた。本来であれば甲子園出場するところだったが、大会直前の不祥事により出場を辞退。連続記録は残念な形で終止符が打たれた。
出場校数には地域差があり、連覇が非常に困難な地域もあれば、比較的“1強”となりやすい地域があるのも事実。ただし、連覇を続けるようなチームには、「絶対に負けられない」という独特のプレッシャーがのしかかる。どこにだって、かんたんな夏などないのだ。
重圧をはね退け、聖地への道を切り開いた聖光学院と作新学院。その地区の看板を背負って出てくる両校の“絶対王者”たる戦いぶりに期待したい。
【全国高校野球選手権連続出場ベスト3】
<戦後編>
1位 聖光学院(福島県)
10大会連続(第89回~第97回)
2位 智弁和歌山(和歌山県)
8大会連続(第87回~第94回)
3位 明徳義塾(高知県)
7大会連続(第80回~第86回)