2016シーズン、横浜の街が沸いた。球団史上初のクライマックスシリーズを果たした横浜DeNAベイスターズ。横浜の街が一丸となり、地元のチームを応援した。
そんな中、みなとみらい駅に直結する商業施設「MARK IS みなとみらい」は、今季から「横浜DeNAベイスターズ」応援企画「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を始動。様々なベイスターズ応援企画を実施してきた。その取り組みについて、「MARK IS みなとみらい」の羽渕徹館長にお話を伺った。
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」とはどういう取り組みなのでしょうか?
羽渕徹館長(以下、羽渕) 「YOKOHAMA BLUE PROJECT」の「BLUE」というのは、横浜をみんなで青くして元気にやっていこうという意味合い。「横浜DeNAベイスターズ」を応援していくことで、横浜の街を盛り上げていこうというプロジェクトです。
商業施設の中のスポーツのあり方って、みなさんが集まっていただいて、一つの事を語り合ったりすることがすごく重要だと思っています。売上とかじゃなくて、立ち寄っていただけて、会話ができて…。殺伐としかけている世の中に、人間のふれあいみたいなのがベイスターズさんや私たちを通じてできて、横浜のみなさんの役に立てればと思っています。
――横浜を青くする?
羽渕 実際に横浜の象徴的なカラーをアンケートすると、ほとんどの人が「ブルー」と聞いたんです。「YOKOHAMA BLUE PROJECT」のロゴも、「MARK IS みなとみらい」のブルーとベイスターズさんのブルーを掛け合わせたデザインとなっています。一緒に盛り上げていこうという意味合いで作りました。
――始めようと思ったきっかけは何ですか?
羽渕 もともと、商業施設としてこれからの立ち位置を考えた時に、街のコミュニティづくりってすごく重要だと思いました。その中でみなさんと共感できる「もの」とか「こと」って何なのかなって考えました。昨年ベイスターズさんといろいろとお話ししている中で、地域に根付いた企業というか、チームスポーツをやっているベイスターズさんと共感性がありました。
象徴的なのが、ベイスターズさんが昨年、神奈川県内の小学校、幼稚園・保育園に通う約72万人の子どもたちに、ベースボールキャップをプレゼントしたことがありました。そういうことってすごく大切なことだと思うし、私たちも神奈川県、横浜市が一つになれる、そういうものが共有できたらいいなと思ってこのプロジェクトを考えました。
――実際にどのようなことをやられているのですか?
羽渕 野球教室や、母の日のイベント、CSに出場した際には、応援メッセージボードも設置しました。また、「MARK IS みなとみらい」からベイスターズさんの情報を流したり、イベントのノベルティがベイスターズグッズや観戦チケットであったり。春から継続してやっています。
――お客さんの反応はどうですか?
羽渕 (CS進出の応援)メッセージボードが一つの結果だと思っています。未就学児童かな、一生懸命書いてくれた文字になっていないメッセージや、ご高齢の方がかかれたすごく達筆なメッセージなど、3000人以上の人が書いてくださいました。
3000人もの人に書いていただけると、掲載する場所もないので、横浜高速鉄道さんにも協力いただいて、駅の地下通路に掲載しました。街が一体化するっていうんですかね。
――大きな反響があったのですね。
羽渕 商売じゃない世界だと思うんですよ。「MARK IS みなとみらい」はファミリー中心にやっている商業施設なので、そういう人たちだけが参加されやすいというのがあると思うんですけど、枠を超えて、年代問わず参加いただけたっていうことが嬉しいですね。ベイスターズさんや「MARK IS みなとみらい」の場の提供で、3000人以上の人にアクションを起こしていただいたことが、本当に“宝”だと思います。横浜の街にとっても。
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」はいつごろから始めようと考えていたのですか?
羽渕 開始までに半年以上はかかりましたね。3月25日に開始したのですが、昨年の8月くらいから、ベイスターズさんとチームのあり方、施設のあり方など、意見交換を始めました。「YOKOHAMA BLUE PROJECT」の形にしようとなったのは、年末年始くらいだったと思います。
――半年ほど構想を練って、始められたのですね。
羽渕 ただ、発表は3月25日ですが、お互いの価値観は年内にはまとまっていました。
――ベイスターズさんの反応というのは?
羽渕 うちの主観になってしまうのですが…一緒にやっていただけていることが答えだと思っています。きょう(イルミネーション点灯式)も選手に来ていただいてますし、母の日には選手のお母さんに対するメッセージもいただいた。趣旨の部分をご理解して、選手の皆さんにお伝えいただいて、協力してくださっているというのが、答えだと思います。
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を始めるにあたって、困難などはなかったのですか?
羽渕 困難はあるんですけど、できるためにどうするかしか考えていない。やったことないことに対して、できない理由が実は並んでいたのかもしれないですけど、それを超えるコンセプトがあった。ベイスターズさんと想いが同じだったんでしょうね。街を想う力というか。
実務的にはうちのスタッフも、ベイスターズさんも苦労していると思うんですよ。時間と労力を割いてみんな頑張ってくれたので、ただ、チャレンジっていう部分では仕事としては楽しかったですけどね。
――「MARK IS みなとみらい」のメインターゲットが女性や、ファミリー層というのに対して、野球ファンはまだまだ男性の方が多いと思うのですが。
羽渕 色んな話している中で、ベイスターズさんは「コミュニティボールパーク化構想」というのを持っていらっしゃる。それは男性のものだけじゃないですよね。スポーツって「DO」もありますけど、見る楽しさとか、みんなでチームについて語るということも含めてスポーツかもしれない。そういうことを「MARK IS みなとみらい」を通じて、老いも若きも男も女も関係なくできたらいいなと思います。
――今季、球団史上初のCS出場などありましたが、街の盛り上がりを実感しましたか?
羽渕 僕たちがこれをやっていることで何か盛り上がっているということはなかったかもしれない。このプロジェクト自体浸透しているとは思っていないので。ただ、テナントさんの会話の中で、ベイスターズの話は出てきていると思うし、自然と普段の日常生活の中で、「勝ったね」、「負けたね」、「行けそうだね」みたいな会話は聞こえてきました。CSいけるかどうかっていうのもドキドキしていましたし、野球に興味ない人たちさえも「何ゲーム差」とか気にしていましたからね。
例えばセールをやって「何億売りました」っていうのはわかりやすいと思うんですけど、そういうことを目的にやってないので。
共感できるものをみんなが持つっていうことが重要だと思っていて、そういう部分では、成功だと思います。
――スポーツの力ってどういうものだと思いますか?
羽渕 単純に、言葉を超えている。一緒に何かやるっていっても、喜怒哀楽とかを引き出す力ってスポーツにはすごくある。自分ができなくても応援するパワーとかエネルギーは、爆発力がある。
――今後も「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を続けていく?
羽渕 はい、もちろん。地味な話なのですが、やり続けることだと思うんですよ。そのうち人が増えて、参加する方が増えるのは、それはそれで良いんですけど、減った時も続けることが重要。そうでないと私たちの趣旨が伝わらないと思っています。
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を通じて、伝えていきたいことは何ですか?
羽渕 みんなで楽しみましょうっていう話。人生って言ったら大げさですけど、暮らしの中に人を応援したりとか、楽しんだりとか、喜んだりとかすごく重要だと思う。ちょっと疲れたなとかっていう時に入っていただいて、会ったことない人と空間や、時間などを共有いただければ良いですし、それ以上はないと思っています。
あとは、プロフェッショナルな方が来られたりすると、その力って僕たちが持っていないものを持っていらっしゃる。そういうことをお聞きになられたりとかすることで、また何か豊かさができるのであれば、それはそれで、お役に立てることなのかな。
インタビューを行った日も、「YOKOHAMA BLUE PROJECT」の一環として、クリスマスツリー点灯式が行われ、横浜DeNAベイスターズの後藤武敏選手が来場。会場には多くのファンが詰めかけた。
羽渕館長は、「まだまだ」と話すが、「YOKOHAMA BLUE PROJECT」は確実に浸透しているように感じる。「今後も地道に…」――。これからも横浜DeNAベイスターズの応援を通じて横浜の街を盛り上げていく。
そんな中、みなとみらい駅に直結する商業施設「MARK IS みなとみらい」は、今季から「横浜DeNAベイスターズ」応援企画「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を始動。様々なベイスターズ応援企画を実施してきた。その取り組みについて、「MARK IS みなとみらい」の羽渕徹館長にお話を伺った。
横浜の街を青く、盛り上げていこう
羽渕徹館長(以下、羽渕) 「YOKOHAMA BLUE PROJECT」の「BLUE」というのは、横浜をみんなで青くして元気にやっていこうという意味合い。「横浜DeNAベイスターズ」を応援していくことで、横浜の街を盛り上げていこうというプロジェクトです。
商業施設の中のスポーツのあり方って、みなさんが集まっていただいて、一つの事を語り合ったりすることがすごく重要だと思っています。売上とかじゃなくて、立ち寄っていただけて、会話ができて…。殺伐としかけている世の中に、人間のふれあいみたいなのがベイスターズさんや私たちを通じてできて、横浜のみなさんの役に立てればと思っています。
――横浜を青くする?
羽渕 実際に横浜の象徴的なカラーをアンケートすると、ほとんどの人が「ブルー」と聞いたんです。「YOKOHAMA BLUE PROJECT」のロゴも、「MARK IS みなとみらい」のブルーとベイスターズさんのブルーを掛け合わせたデザインとなっています。一緒に盛り上げていこうという意味合いで作りました。
――始めようと思ったきっかけは何ですか?
羽渕 もともと、商業施設としてこれからの立ち位置を考えた時に、街のコミュニティづくりってすごく重要だと思いました。その中でみなさんと共感できる「もの」とか「こと」って何なのかなって考えました。昨年ベイスターズさんといろいろとお話ししている中で、地域に根付いた企業というか、チームスポーツをやっているベイスターズさんと共感性がありました。
象徴的なのが、ベイスターズさんが昨年、神奈川県内の小学校、幼稚園・保育園に通う約72万人の子どもたちに、ベースボールキャップをプレゼントしたことがありました。そういうことってすごく大切なことだと思うし、私たちも神奈川県、横浜市が一つになれる、そういうものが共有できたらいいなと思ってこのプロジェクトを考えました。
CS進出の応援ボードには3000人超のメッセージが
――実際にどのようなことをやられているのですか?
羽渕 野球教室や、母の日のイベント、CSに出場した際には、応援メッセージボードも設置しました。また、「MARK IS みなとみらい」からベイスターズさんの情報を流したり、イベントのノベルティがベイスターズグッズや観戦チケットであったり。春から継続してやっています。
――お客さんの反応はどうですか?
羽渕 (CS進出の応援)メッセージボードが一つの結果だと思っています。未就学児童かな、一生懸命書いてくれた文字になっていないメッセージや、ご高齢の方がかかれたすごく達筆なメッセージなど、3000人以上の人が書いてくださいました。
3000人もの人に書いていただけると、掲載する場所もないので、横浜高速鉄道さんにも協力いただいて、駅の地下通路に掲載しました。街が一体化するっていうんですかね。
――大きな反響があったのですね。
羽渕 商売じゃない世界だと思うんですよ。「MARK IS みなとみらい」はファミリー中心にやっている商業施設なので、そういう人たちだけが参加されやすいというのがあると思うんですけど、枠を超えて、年代問わず参加いただけたっていうことが嬉しいですね。ベイスターズさんや「MARK IS みなとみらい」の場の提供で、3000人以上の人にアクションを起こしていただいたことが、本当に“宝”だと思います。横浜の街にとっても。
構想は半年以上、できるためにどうするか
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」はいつごろから始めようと考えていたのですか?
羽渕 開始までに半年以上はかかりましたね。3月25日に開始したのですが、昨年の8月くらいから、ベイスターズさんとチームのあり方、施設のあり方など、意見交換を始めました。「YOKOHAMA BLUE PROJECT」の形にしようとなったのは、年末年始くらいだったと思います。
――半年ほど構想を練って、始められたのですね。
羽渕 ただ、発表は3月25日ですが、お互いの価値観は年内にはまとまっていました。
――ベイスターズさんの反応というのは?
羽渕 うちの主観になってしまうのですが…一緒にやっていただけていることが答えだと思っています。きょう(イルミネーション点灯式)も選手に来ていただいてますし、母の日には選手のお母さんに対するメッセージもいただいた。趣旨の部分をご理解して、選手の皆さんにお伝えいただいて、協力してくださっているというのが、答えだと思います。
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を始めるにあたって、困難などはなかったのですか?
羽渕 困難はあるんですけど、できるためにどうするかしか考えていない。やったことないことに対して、できない理由が実は並んでいたのかもしれないですけど、それを超えるコンセプトがあった。ベイスターズさんと想いが同じだったんでしょうね。街を想う力というか。
実務的にはうちのスタッフも、ベイスターズさんも苦労していると思うんですよ。時間と労力を割いてみんな頑張ってくれたので、ただ、チャレンジっていう部分では仕事としては楽しかったですけどね。
――「MARK IS みなとみらい」のメインターゲットが女性や、ファミリー層というのに対して、野球ファンはまだまだ男性の方が多いと思うのですが。
羽渕 色んな話している中で、ベイスターズさんは「コミュニティボールパーク化構想」というのを持っていらっしゃる。それは男性のものだけじゃないですよね。スポーツって「DO」もありますけど、見る楽しさとか、みんなでチームについて語るということも含めてスポーツかもしれない。そういうことを「MARK IS みなとみらい」を通じて、老いも若きも男も女も関係なくできたらいいなと思います。
スポーツの力は言葉を超えている
――今季、球団史上初のCS出場などありましたが、街の盛り上がりを実感しましたか?
羽渕 僕たちがこれをやっていることで何か盛り上がっているということはなかったかもしれない。このプロジェクト自体浸透しているとは思っていないので。ただ、テナントさんの会話の中で、ベイスターズの話は出てきていると思うし、自然と普段の日常生活の中で、「勝ったね」、「負けたね」、「行けそうだね」みたいな会話は聞こえてきました。CSいけるかどうかっていうのもドキドキしていましたし、野球に興味ない人たちさえも「何ゲーム差」とか気にしていましたからね。
例えばセールをやって「何億売りました」っていうのはわかりやすいと思うんですけど、そういうことを目的にやってないので。
共感できるものをみんなが持つっていうことが重要だと思っていて、そういう部分では、成功だと思います。
――スポーツの力ってどういうものだと思いますか?
羽渕 単純に、言葉を超えている。一緒に何かやるっていっても、喜怒哀楽とかを引き出す力ってスポーツにはすごくある。自分ができなくても応援するパワーとかエネルギーは、爆発力がある。
地道に、やり続けていくことが大切
――今後も「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を続けていく?
羽渕 はい、もちろん。地味な話なのですが、やり続けることだと思うんですよ。そのうち人が増えて、参加する方が増えるのは、それはそれで良いんですけど、減った時も続けることが重要。そうでないと私たちの趣旨が伝わらないと思っています。
――「YOKOHAMA BLUE PROJECT」を通じて、伝えていきたいことは何ですか?
羽渕 みんなで楽しみましょうっていう話。人生って言ったら大げさですけど、暮らしの中に人を応援したりとか、楽しんだりとか、喜んだりとかすごく重要だと思う。ちょっと疲れたなとかっていう時に入っていただいて、会ったことない人と空間や、時間などを共有いただければ良いですし、それ以上はないと思っています。
あとは、プロフェッショナルな方が来られたりすると、その力って僕たちが持っていないものを持っていらっしゃる。そういうことをお聞きになられたりとかすることで、また何か豊かさができるのであれば、それはそれで、お役に立てることなのかな。
インタビューを行った日も、「YOKOHAMA BLUE PROJECT」の一環として、クリスマスツリー点灯式が行われ、横浜DeNAベイスターズの後藤武敏選手が来場。会場には多くのファンが詰めかけた。
羽渕館長は、「まだまだ」と話すが、「YOKOHAMA BLUE PROJECT」は確実に浸透しているように感じる。「今後も地道に…」――。これからも横浜DeNAベイスターズの応援を通じて横浜の街を盛り上げていく。