広島・新井と日ハム・大谷がMVPを受賞
28日に「NPB AWARDS 2016」が開催され、セ・リーグの最優秀選手は広島の新井貴浩、パ・リーグは日本ハムの大谷翔平が選出された。
新井は広島復帰2年目となった今季、7月に月間打率.443、7本塁打、24打点の大暴れ。夏場に入っても調子を落とすことなく、8月7日の巨人戦でサヨナラタイムリーを放つ活躍ぶり。リーグ3位の101打点を記録し、25年ぶりのリーグ優勝の立役者となった。
日本ハムの大谷は今季、規定投球回と規定打席に到達していないものの、投手で10勝、野手で22本塁打を記録するなどリーグ優勝と日本一に大きく貢献する活躍ぶりだった。
小笠原、ラミらは2年連続で受賞!
最近10年間でリーグMVPを受賞した選手の翌年の成績を見ると、小笠原道大、ラミレスの2人は2年連続でMVPを獲得する活躍を見せた。特に小笠原は06年の日本ハム、翌07年はFA移籍した巨人で受賞。野手としては史上初のセ・パ両リーグでのMVP、リーグを跨いでの2年連続受賞も史上初の快挙だった。
投手陣も10年に17勝をマークしリーグMVPに輝いた和田毅(ソフトバンク)は、翌11年も16勝を記録しリーグ二連覇に貢献。07年のMVP・ダルビッシュ有も翌年以降も安定した投球を見せ、リーグ優勝した09年に2度目のMVPに輝いている。
和田一浩と金子千尋は翌年苦しむ
一方で、安定した成績を残している印象の和田一浩(中日)、金子千尋(オリックス)などは意外にも翌年に成績を大きく落としている。和田は10年に打率.339、37本塁打、93打点を記録するも、統一球が導入された11年は二軍落ちを経験するなど、打率.232と1割近く数字を落としてシーズンを終えた。
14年に最多勝、最優秀防御率のタイトルを獲得するなどチームはリーグ2位だったが、その活躍が認められMVPとなった金子は、15年は故障で出遅れた。この年初登板となった5月23日のロッテ戦で、プロ入り後最短の3回でノックアウトを食らった。結局15年は、最後まで本来の調子を取り戻すことができず、7勝9敗に終わった。
来年で39歳となる新井と、WBC参加の影響も気になる大谷。彼らが今シーズン同様の活躍を見せることができるのかにも注目したい。ちなみに、最近10年間のリーグMVP受賞者の主要な成績は以下の通りとなっている。
最近10年間のリーグMVP受賞者の成績
【2006年】
セ:福留孝介(中日)
06年成績:130試 率.351 本31 点104
07年成績: 81試 率.294 本13 点 48
パ:小笠原道大(日本ハム)
06年成績:135試 率.313 本32 点100
07年成績:142試 率.313 本31 点 88
【2007年】
セ:小笠原道大(巨人)
07年成績:142試 率.313 本31 点88
08年成績:144試 率.310 本36 点96
パ:ダルビッシュ有(日本ハム)
07年成績:26試 15勝5敗 防1.82
08年成績:25試 16勝4敗 防1.88
【2008年】
セ:ラミレス(巨人)
08年成績:144試 率.319 本45 点125
09年成績:144試 率.322 本31 点103
パ:岩隈久志(楽天)
08年成績:28試 21勝4敗 防1.87
09年成績:24試 13勝6敗 防3.25
【2009年】
セ:ラミレス(巨人)
09年成績:144試 率.322 本31 点103
10年成績:144試 率.304 本49 点129
パ:ダルビッシュ有(日本ハム)
09年成績:23試 15勝5敗 防1.73
10年成績:26試 12勝8敗 防1.78
【2010年】
セ:和田一浩(中日)
10年成績:144試 率.339 本37 点93
11年成績:131試 率.232 本12 点54
パ:和田毅(ソフトバンク)
10年成績:26試 17勝8敗 防3.14
11年成績:26試 16勝5敗 防1.51
【2011年】
セ:浅尾拓也(中日)
11年成績:79試 7勝2敗10S 防0.41
12年成績:29試 1勝0敗 1S 防1.50
パ:内川聖一(ソフトバンク)
11年成績:114試 率.338 本12 点74
12年成績:138試 率.300 本 7 点53
【2012年】
セ:阿部慎之助(巨人)
12年成績:138試 率.340 本27 点104
13年成績:135試 率.296 本32 点 91
パ:吉川光夫(日本ハム)
12年成績:25試 14勝5敗 防1.71
13年成績:26試 7勝15敗 防3.31
【2013年】
セ:バレンティン(ヤクルト)
13年成績:130試 率.330 本60 点131
14年成績:112試 率.301 本31 点69
パ:田中将大(楽天)
13年成績:28試 24勝0敗1S 防1.27
14年成績:20試 13勝5敗0S 防2.77
※14年はヤンキースでプレー
【2014年】
セ:菅野智之(巨人)
14年成績:23試 12勝 5敗 防2.33
15年成績:25試 10勝11敗 防1.91
パ:金子千尋(オリックス)
14年成績:26試 16勝5敗 防1.98
15年成績:16試 7勝6敗 防3.19
【2015年】
セ:山田哲人(ヤクルト)
15年成績:143試 率.329 本38 点100
16年成績:133試 率.304 本38 点102
パ:柳田悠岐(ソフトバンク)
15年成績:138試 率.363 本34 点99
16年成績:120試 率.306 本18 点73