マエケンのメジャー挑戦に続き黒田が引退
FA市場の動きが活発化し、18日には岸孝之(前西武)の楽天入りが決まった。その他、陽岱鋼(日本ハム)、糸井嘉男(オリックス)、山口俊(DeNA)、森福允彦(ソフトバンク)も他球団と接触しており、今後の動向が注目されている。
10年ぶりの日本一に輝いた日本ハムは、今季インディアンス傘下3Aコロンバスでプレーしていた村田透の獲得を発表した。3Aながら9勝4敗4セーブ、防御率3.78を記録した右腕の獲得は、連覇を目指すチームにとって貴重な戦力になりそうだ。
一方でセ・リーグ王者の広島は、ドラフト以降、目立った動きはない。もともとFA選手の獲得に積極的ではない球団だが、メジャーへ旅立った前田健太(現ドジャース)に続き、今年は10勝8敗、防御率3.09の成績だった黒田博樹が引退。それでも前田移籍時のポスティング制度による譲渡金、黒田の年俸分と金銭面での余裕はあるはずだが、ここまでは静観を貫いている。
野村に次ぐエース候補は現れるのか?
前田退団で今季も先発投手陣の弱体化が懸念されていたが、それを救ったのは最多勝、最高勝率の投手2冠に輝いた野村祐輔だった。中堅右腕の復活もあり先発防御率はリーグトップの3.29を記録。ただ、前田が在籍した15年の2.96より数字を下げており、野村に次ぐ日本人投手の台頭も乏しかった。
また黒田は、引退年にも関わらずジョンソン、野村に次ぐチーム3位の151回2/3を消化した。その下に目を移すと、4位の岡田明丈が89回1/3、5位のヘーゲンズは83回1/3と一気に数字が落ちる。
今季は野村の活躍があったとはいえ、2年連続で2ケタ勝利投手が抜けるのは相当な痛手。現状、ジョンソン、野村に次ぐ来季のローテーション候補は、今季途中から先発に配置転換されたヘーゲンズと日本シリーズでも好投した岡田。5番手以降は福井優也、大瀬良大地、九里亜蓮、戸田隆矢ら既存戦力に加え、ドラフト1位で獲得した加藤拓也(慶大)ら新戦力組との争いになる。
これらの状況を鑑みると、山口あたりは年俸、実績面も含め、補強ポイントに合致する存在だった。さらに森福も、積年の課題である左の中継ぎとして魅力的な存在だったが、両投手ともライバル球団の巨人が積極的に口説いている。
来季はリーグ連覇を目指す立場の広島だが、現状の先発陣の顔ぶれを見ると不安の方が大きい。外国人を筆頭に新たな補強の可能性もあるが、まずはベースとなる既存戦力をどこまで底上げできるか注目だ。