セ界の天王山
盛り上がったセ・パ交流戦も終わり、23日からはリーグ戦が再開する。この週末に行われる6カードで注目すべきは、何といっても「広島vs.阪神」のセ・リーグ首位攻防3連戦だろう。
首位の広島と阪神のゲーム差は「3」。もし阪神が3連勝を飾れば、一気に首位に躍り出る。逆に広島が3連勝すれば、ゲーム差は「6」に広がり、昨季に続き広島が独走態勢に入ってしまう可能性も十分に考えられる。追いかける阪神にとって、初戦は絶対に落としたくない一戦と言えるだろう。
大事な3週間!?
交流戦が始まる以前は、シーズン中の“中休み”は球宴時のみだった。ところが交流戦が始まると、リーグ戦再開までに数日の“中休み”が発生。この1度目の“中休み”期間中の選手の過ごし方や交流戦中のスカウンティング・分析によって、良くも悪くもそれまでのチームの流れが大きく変わることも考えられる。
オールスターまでの3週間が重要と述べたが、セ・リーグでは交流戦が始まった2005年以降、2度の“中休み”に挟まれた期間のチーム成績がリーグ優勝チームを占ううえで重要になっている。
【セ優勝チームの「交流戦後~球宴前」期間の成績】
2016年:広島 12勝4敗(.750)
2015年:ヤクルト 10勝9敗(.526)
2014年:巨人 8勝5敗(.615)
2013年:巨人 12勝9敗(.571)
2012年:巨人 15勝5敗3分(.750)
2011年:中日 9勝14敗1分(.391)
2010年:中日 17勝10敗(.630)
2009年:巨人 13勝9敗1分(.591)
2008年:巨人 17勝9敗1分(.654)
2007年:巨人 5勝12敗(.294)
2006年:中日 11勝5敗2分(.688)
2005年:阪神 17勝7敗1分(.708)
昨季までの12シーズンのうち、この期間に負け越しながらリーグ優勝を果たしたのは2007年の巨人と2011年の中日の2チームだけ。それ以外のシーズンはこの期間に勝ち越したチームが最終的にリーグ優勝を果たしている。
特にこの期間に勝率7割を超える成績を残した05年の阪神、12年の巨人、そして昨季の広島は最終的に10ゲーム差以上の大差をつけてリーグを制覇。フルマラソンでいえば、20キロから25キロあたりの折り返し地点で勢いをつけたチームは、その後に独走する可能性が高いといっていいだろう。
広島と阪神は順当に球宴までの17試合を勝ち越せるのか、それとも他の4チームが意地を見せ、その差を縮めることができるか。兎にも角にも、まずは広島と阪神の首位攻防戦に注目だ。
文=八木遊(やぎ・ゆう)