コラム 2018.04.16. 19:00

DeNA先発陣の“穴”を埋める飯塚の成長…“凱旋登板”で初白星なるか?!

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故郷・新潟で行われる蓋然試合で初白星を目指す飯塚

3本柱不在の開幕


 今永昇太、ウィーランド、濵口遥大――。

 横浜DeNAベイスターズは、昨シーズン2ケタ勝利を挙げた先発の柱が不在のまま開幕を迎えた。

 だが、ローテーションに空いた大きな“穴”は、若手にとってみれば絶好のチャンスにほかならない。高卒2年目右腕、19歳の京山将弥がプロ初勝利を含む3戦3勝と星を稼げば、ドラフト1位ルーキー、左腕の東克樹も2度目の登板で白星をつかみ取った。

 そしてもう一人、先発投手としての役目を着実にこなしているのが飯塚悟史だ。高卒4年目の長身右腕は、打線の援護に恵まれず2戦未勝利(1敗)ながら、防御率は1.64。安定感のある投球で、アピールを続けている。


成長の跡


 マウンドに立つ飯塚の表情は、一軍初登板のチャンスを与えられた昨シーズンとは明らかに違う。ピンチの場面でも動じることなく、堂々と打者に向き合っているように見えるのだ。

 印象的なのは登板2試合目、4月10日のジャイアンツ戦だ。その初回、先頭の立岡宗一郎にストレートの四球を与え、続く吉川尚輝への初球は、腰のあたりを直撃する死球となった。

 立ち上がりで制球が定まらず、いきなり迎えたピンチの場面。ストライクを取りにいったところをクリーンアップに痛打される自滅の展開も十分にあり得たが、21歳の右腕は落ち着いていた。坂本勇人を遊ゴロ併殺、4番のゲレーロはレフトフライに打ち取って無失点で切り抜けた。

 飯塚が振り返る。

「これまでの自分なら、『ヤバい』って焦って、修正もできず、悪循環からビッグイニングをつくる形になっていたかもしれない。でも、あの試合では『ヤバい』とは思いながらも『2、3点はしょうがない』と。5~6回を2~3失点で投げようと割り切れたことがよかった。ゼロに抑えようという力みや焦りがなかったから、立て直せたのかなと思います」

 昨シーズンから数えれば一軍での登板は10回を超え、その場の空気に慣れてきた面もあるだろう。「マウンドで考える時間ができた」とも語るように、目の前の打者を見るだけで精いっぱいだった昨シーズンとは違い、試合全体を見渡す視点を持てるようになった。


試合を作れるように


 飯塚の心にゆとりを与えているのが、捕手からの助言だ。今シーズンの登板2試合ともバッテリーを組んだ嶺井博希には、こう声をかけられている。

「オープン戦の時から『勝負どころで力を入れてこい』と言われています。(今シーズン初登板の)阪神戦の試合前にも、無理に無失点で抑えようっていう気持ちは必要ない、終わった時に『ちゃんと試合がつくれたな』と思える投球をしよう、という話をしていただきました。余計な力みなく投げることができたのは、その言葉が大きかった」

 勝負どころで力を入れてこい――。その要求に応えるだけの球威を身につけたことも、今シーズンの好投の要因だ。140キロ台中盤の速球で押し込むことができるようになった。

「去年はコンスタントに球速を出すことができませんでしたし、ギアを一つ上げたい勝負どころでも上げきれない部分がありました。自分は瞬発的に力を出すのが苦手なんです。リリースのところに100%の力を持ってきたいのに、うまく出しきれないと感じていた。だからオフのトレーニングでは、瞬発的な力を出すための速い動きに重点を置いてやってきました。それが結果的に球速につながって、去年よりも出るようになったという手ごたえは感じています」


広がった投球の幅


 飯塚の投球の支えとなっているのは、直球の球威向上に加え、変化球の精度が増したことだ。決め球の一つであるフォークにスライダーを組み合わせることで、打者を封じる“型”ができつつあるという。

「スライダーがいい働きをしてくれていますね。自分の中でラインが出てきたというか、ストライクを取れるボールとして明確になったことは大きいと思います。(見逃しの)ストライクを取れたり空振りを奪えるようになってきたことで、フォークの使い道が増えて投球の幅が広がりました」

 スライダーでカウントを整えられるなら、フォークを最後まで取っておくことができる。あるいは逆に、フォークをあえて早いカウントから投じ、決め球にスライダーをチョイスする手もある。要は配球が手詰まりになる局面が少なくなったということだ。

 4月10日のジャイアンツ戦、飯塚が自信を深めた対戦がある。

 2回裏、マギーと岡本和真から連続で空振り三振を奪った場面だ。いずれの打席も勝負はフルカウントまでもつれた。

「両方とも最後はフォーク。狙って取れた三振でしたし、コントロールできるようになってきているという自信はついてきています。やっと、徐々に自分の思い描くように落とせるようになってきた」


凱旋登板への思い


 今シーズンの2試合は、6回84球、5回76球で降板している。援護点が乏しかったこともあって早めの継投を余儀なくされたが、心身の疲労度にはまだ余裕があった。

「自分の感覚では、体力的にもまだまだ投げられる状態ではありました。去年は一軍のマウンドで5回を投げるのがやっとですごく長く感じましたけど、今年は楽になった。ゲームメイクという部分はちょっと成長しているのかな」

 自信を確信に変えるためには、やはり勝ち星という結果が必要だ。

 今シーズン3試合目の先発は4月17日、故郷・新潟での凱旋登板。1年前は雨で流れた待望のマウンドに思いを馳せ、飯塚は笑顔を見せる。

「まだ勝ちはついていないので、ここに取っておいたと思えるように。初勝利は新潟で挙げたいなと思います」

 予報を見る限り、天候に問題なし。成長した姿を地元のファンに披露するべく、背番号30がついに新潟に帰ってくる。

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