コラム 2018.05.03. 13:00

得点力不足に喘ぐ阪神に差し込んだ新たな光

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阪神・上本博紀(C)KYODO NEWS IMAGES

深刻な得点力不足…


 シーズン開幕から、あっという間の1カ月。プロ野球も4月の戦いが終わり、阪神は11勝12敗の借金1。4位という順位で5月を迎えた。

 4月までの成績で目についたのは、得点数の少なさ。5月の初戦は投打が噛み合って快勝したが、4月までの総得点70(23試合)はリーグ最下位の数字で、チーム打率(.226)、チーム本塁打(12)、チーム盗塁数(7)はいずれもリーグ最少だった。チーム防御率は「3.34」とリーグ2位の成績ながら、1試合の平均得点が「3.04」では勝ちきれなかったのも無理はない。

 ここまでチームを牽引していたのは、3番の糸井嘉男と5番の福留孝介。2人とも打撃の状態は悪くなかったが、彼らの打点(※4月終了時点)が「13(糸井)」、「9(福留)」と少し物足りない数字だったのは、良い形で2人に繋げていないなかったということ。チャンスの発火点を作れていなかったことが得点力不足の原因だったと言えるだろう。


ここまでの1・2番は…


 ここで、今季の1・2番を振り返ってみよう。

【1番に入った選手】
15試合 高山 俊
4 試合 上本博紀
3 試合 俊介
2 試合 鳥谷 敬

【2番に入った選手】
9試合 鳥谷 敬
4試合 上本博紀
4試合 西岡 剛
3試合 植田 海
2試合 俊介
1試合 山崎憲晴
1試合 糸原健斗


 ここまで最も多くの試合(15試合)でトップバッターを務めているのが、3年目の高山。ここまで打率.195、出塁率.225と苦しんでおり、チャンスメーカーとしての役割りは果たせていなかった。元々、粘って四球を選ぶというより、早いカウントから積極的に振っていくタイプとはいえ、ここまでの四球が「3」では出塁率が上がらなくても仕方がない。

 ただし、特筆すべきは勝負強さ。新人王を獲得したルーキーイヤーの2016年は得点圏打率.377を記録。昨年は得点圏.183と好機を活かせなかったが、今年はここまで得点圏で14打数6安打の「.429」と結果を残している。チャンスメーカーというよりも、好機に自らのバットで走者を返すクラッチヒッター向きなのかもしれない。

 昨年は74試合に出場し、打率.309を記録した俊介。後半戦では高山からトップバッターの座を奪い、CSでもスタメン出場するなど、金本監督からの信頼も厚い。今季も相手の先発が左腕の時に先発で起用され、1番で3試合、2番でも2試合に出場しているが、打率.129と不調。昨年、対左投手.347のハイアベレージを記録している“左キラー”が復活すれば指揮官の選択肢も増えるのだが…。

 また、今季1・2番で11試合に出場し、昨年のチーム内規定打席到達選手では最も高い「.293」という打率を残した鳥谷敬も、今季は打率.143(出塁率.263)と期待された役割は果たせていない状況だ。


新コンビは希望の光!?


 出塁率という観点で言えば、「.437」の糸井や「.391」の糸原の起用も考えられるが、両選手ともに得点圏打率が高く、ポイントゲッターとしての役割も期待したいところ。大山悠輔や高山の状態が上がってくれば、「1番・糸井」というオーダーも考えられそうだが、現状では難しそうだ。

 だが、そんな現状で心機一転、5月1日の試合では「1番・上本博紀、2番・植田海」という新しい布陣が起爆剤となった。

 上本は4月のスタメン出場は8試合と少なかったものの、開幕から好調を維持したまま5月に突入。1日には1本塁打を含む3打数3安打と猛打賞の活躍を見せた。昨年は9本塁打を放つなども、パンチ力もある選手。加えて昨年チーム2位の盗塁数を記録した足もある(2017年は16盗塁)。

 そして、今年プロ入り後初の開幕一軍を勝ち取った植田。30日の広島戦では、1点差で迎えた7回表二死からセーフティバントで出塁すると、糸井の打席で盗塁に成功。結果、この盗塁が後の糸井の同点打に繋がることとなった。植田のような足が使える存在は近年の阪神にはいなかっただけに、機動力アップへ期待がかかる。

 早いカウントから積極的にいきつつも、追い込まれてからも粘り強く、パンチ力もある上本。そして、深めの内野ゴロならヒットにしてしまう快足に加え、小技もできる植田。この新たな1・2番が切り込み隊長となり、導火線に火をつけることができれば、大型連休をまさに“ゴールデン”な週間に変えることもできるのではないだろうか。


文=弥武芳郎(やぶ・よしろう)


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