コラム 2019.05.03. 21:00

絶対エースならではの不安? 巨人・菅野智之と「中5日」

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ヤクルト打線に連打を浴びた巨人・菅野智之=神宮 (C) KYODO NEWS IMAGES

まさかの3連続被弾


 投手最高の栄誉である沢村賞を2017年から2年連続で受賞し、「球界のエース」との呼び声高い巨人・菅野智之。今季は史上2人目となる3年連続の同賞受賞が期待されているが、5月2日時点で6試合を投げて4勝2敗、防御率3.21。勝ち星はともかく、3年連続で最優秀防御率を獲得している菅野にして防御率3点台というのは、やや物足りない?印象もしてしまうからすごい。

 防御率悪化の原因となったのは、4月25日の対ヤクルト戦にある。この日の菅野は青木宣親、山田哲人、バレンティンと3者連続本塁打を浴びて、3回1/3で12安打7失点。昨秋のクライマックスシリーズ(CS)でノーヒットノーランを達成した相手に滅多打ちを食らい、防御率が一時3.82にまで悪化した。

 巨人の絶対的エースが炎上する姿は、にわかに信じがたい光景だったが、その理由として今季初となる中5日の登板が響いたのではないかという声が一部にあった。確かにこの日は持ち前の球威が鳴りを潜め、150キロ以上を計測した速球はゼロ。どこか本調子ではない様子だった。

 では、菅野の不調の原因は「中5日」の登板間隔にあるのか。2013年のプロ入りから昨季までの登板間隔別の成績を調べてみた。

【過去の登板間隔別成績】
▼ 2013年(プロ入り1年目)
シーズン成績:27試合 13勝6敗 防3.12
中6日以上:26試合 13勝5敗 防2.82
中5日以下:1試合 0勝1敗 防17.18

▼ 2014年(プロ入り2年目)
シーズン成績:23試合 12勝5敗 防2.33
中6日以上:15試合 7勝4敗 防2.56
中5日以下:8試合 5勝1敗 防1.93

▼ 2015年(プロ入り3年目)
シーズン成績:25試合 10勝11敗 防1.91
中6日以上:19試合 7勝8敗 防2.16
中5日以下:7試合 3勝3敗 防1.34

▼ 2016年(プロ入り4年目)
シーズン成績:26試合 9勝6敗 防2.01
中6日以上:20試合 7勝5敗 防2.00
中5日以下:6試合 2勝1敗 防2.04

▼ 2017年(プロ入り5年目)
シーズン成績:25試合 17勝5敗 防1.59
中6日以上:20試合 13勝5敗 防2.71
中5日以下:5試合 4勝0敗 防0.51

▼ 2018年(プロ入り6年目)
シーズン成績:28試合 15勝8敗 防2.14
中6日以上:22試合 13勝7敗 防2.33
中5日以下:5試合 2勝1敗 防1.13


「中5日」起用法の影響は?


 菅野はプロ入り2年目の2014年以降、毎年5試合以上は中5日以下で登板しているが、成績を見比べると悪いどころかむしろ好成績をマークしている。それも中5日の登板となった全32試合のうち、約半数の15試合は順位争いが激しくなる後半戦での登板。夏場以降にも存在感を発揮し、巨人在籍6シーズン中5度のAクラス入りに大きく貢献してきた。

 一見すると、好成績を収めているように見える菅野の中5日時の成績だが、開幕直後から中5日の間隔で登板させ続けた場合、菅野のシーズン成績に少なからず悪影響を与えているようにも思える。

 例えば2014年は4月に3度も中5日で登板したことが災いしたのか、夏場の7月に防御率6.12の大乱調。8月には右手中指炎症を発症して約1カ月の戦線離脱を余儀なくされている。また、5月までに中5日以下の間隔で3度登板した2015年~2016年はその直後の6月に大きく成績を落としている。

 反対に、7月に入るまで中5日での登板がなかった2017年、5月に1度のみだった2018年は2年連続の沢村賞獲得。どちらも勝ち星は15を超えて2年連続の最多勝も獲得している。

 ちなみに今季の菅野は5月2日までに、中5日での登板を2度経験したうえに、12球団でただひとり2完投をマーク。ブルペン陣に不安がある巨人は、シーズン序盤からエースに頼る試合が続いているが、このような起用が続けば過去の傾向通り、シーズン終盤のパフォーマンスに影響を与える可能性も十分に考えられる。

 絶対エースが今季終了後にどのような数字を残しているのか。今後の起用法もあわせて注目したい。

文=福嶌弘(ふくしま・ひろし)

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