今季40試合以上に登板している6投手
オールスターゲームも終わり、いよいよペナントの行方を決する後半戦が7月15日からスタートする。
今年はまだ全国的に涼しい気候が続いているが、徐々に暑さも増し、今後は疲労との戦いにもなってくる。心配されるのは、疲労の影響が野手より大きいともいわれる投手だ。なかでも、連日のように出番が回ってくる中継ぎ投手たちには、すでに疲労が蓄積していることだろう。下記は、ここまで40試合以上に登板している「登板過多気味」の投手たちになる。
【今季40試合以上に登板している投手】
・2勝1敗17ホールド 防御率1.85
▼ マクガフ(ヤ):43試合(46回)
・4勝1敗12ホールド3セーブ 防御率2.93
▼ ハフ(ヤ):43試合(43.2回)
・1勝1敗16ホールド 防御率2.27
▼ エスコバー(De):42試合(41回)
・3勝2敗19ホールド 防御率3.29
▼ 松井裕樹(楽):41試合(43.1回)
・1勝5敗6ホールド24セーブ 防御率2.08
▼ 中川皓太(巨):40試合(41.1回)
・3勝1敗10ホールド13セーブ 防御率1.52
登板数が多くなるのは、主にチームに欠かせない勝ちパターンの投手たち。先発事情が芳しくないチームもあるが、とにかくその存在は大きい。それだけに、エスコバー(DeNA)を除く5人の投手が防御率3.00未満と優秀な成績を残している。
ただ、このままいくと6人全員がシーズン換算で70試合を超える登板数となっており、とくに平井克典(西武)は最多のシーズン76試合登板となる計算だ。これは、歴代シーズン登板数ランキングで8位に相当する数字である。
2000年以降は中継ぎ投手の負担が増加中
シーズン登板数というと、プロ野球記録であるシーズン90試合登板を果たした2007年の久保田智之(阪神)を思い浮かべるファンも多いだろう。その久保田の他、歴代シーズン登板数ランキングにおいては上位のほとんどが2000年以降の記録である。トップテンには13人の投手が名を連ねるが、そのうち10人の記録が2000年以降のものだ。
その要因としては、投手の分業制が浸透したことに加え、シーズンの試合数そのものが増えたことが考えられる。しかも、いまはクライマックスシリーズもあり、レギュラーシーズン終了後も中継ぎ投手には負担がかかる。中継ぎ投手の負担が増加するなか、先の久保田の他、2011年にシーズン79試合登板を果たして歴代3位の記録を持つ浅尾拓也(中日)も、翌シーズン以降は故障に悩まされたことはファンに広く知られている。
僅差でリードしているような試合終盤には、信頼できる勝ちパターンの投手を起用するのは当然のことではある。だが、その重要な投手が故障してしまっては元も子もない。近年では、シーズンオフに「オーバーホール」を行う球団もあるが、疲労の影響が大きくなる後半戦は、首脳陣の投手起用はもちろん、投手自身の日頃のケアも重要になってくる。チームの成績を左右する鍵を握る男たちの後半戦にも注目したい。
※数字は7月14日時点
文=清家茂樹(せいけ・しげき)