コラム 2022.02.14. 20:39

今度こそ? 巨人若手育成策の本気度【白球つれづれ】

無断転載禁止
紅白戦で好投した堀田賢慎 (C) Kyodo News

白球つれづれ2022~第7回・例年以上に育成方針を打ち出した巨人


 原巨人の沖縄キャンプが14日、スタートした。

 第1次の宮崎キャンプが、ベテラン中心のS班と、若手主体の1軍、2軍、さらに故障者と育成主体の3軍に細分化されていたが、沖縄ではその中からより開幕メンバーに近い38選手をピックアップ。生き残りを賭けた競争はいよいよ佳境を迎える。




 今年の沖縄キャンプには例年以上に若手を選出したのが特徴だ。

 投手では19年のドラフト1位ながら右肘の手術などで2年間を棒に振った堀田賢慎や2年目の成長株である山﨑伊織、ルーキーでは3位指名の赤星優志ら。

 野手では松井秀喜さんの背番号55を背負う大砲候補の秋広優人、ポスト坂本の期待がかかる中山礼都に、強肩堅守の捕手として評価急上昇の山瀬慎之助らの各選手が目を引く。



チームの若返りは喫緊の課題


 「勝利と育成」。この数年、巨人が掲げる大きなテーマである。

 昨年のオフに、珍しくチームはFAやトレード戦線に積極参戦しなかった。新春早々のスタッフミーティングでも、山口寿一オーナーから「新しいジャイアンツ」への改造が厳命されている。現状を見た時、名門球団は大きな曲がり角に差し掛かっていることがわかる。


 リーグ3連覇のかかった昨季は3位に終わった。V逸の原因は数字からも明らかだ。

 チーム打率.242はリーグ5位。岡本和真選手こそ本塁打、打点の二冠に輝いたが、打撃成績の上位は他球団の選手ばかりで、松原聖弥の打率.274が17位ながらチームトップ。投手陣もチーム防御率3.63は同4位。こちらも規定投球回数に達した9投手の中で戸郷翔征が最下位の9位。これだけでも優勝を狙うにはほど遠い戦力だったことがわかる。

 大黒柱の菅野智之投手が度重なる戦列離脱で6勝止まりに終わった。坂本勇人や丸佳浩選手も故障やスランプに陥って本来の成績を残せなかったことが不振に拍車をかけたことは確かだ。

 しかし、チームの屋台骨を背負う男たちの高齢化も気になる。坂本が34歳で菅野と丸は33歳。円熟期からベテランの域に差し掛かっている。原辰徳監督が「現時点でレギュラーとして決まっているのは坂本と岡本くらい」と語るように、チームの若返りは喫緊の課題でもあるのだ。

 有望な若手がレギュラーを掴むと「10年安心」と言う言葉が使われる。現在の巨人なら岡本の存在がその唯一の立場にあたる。二塁の吉川尚輝や捕手の大城卓三選手らがそれに近い位置にいるが、まだとても「10年安心」とは行かない。投手に目を転じても戸郷が球界を代表するエースとは言えないだろう。ヤクルトの村上宗隆、阪神の佐藤輝明選手らに比べて、いかにも線が細い。


ドラフトのクジ運の悪さと「常勝軍団」の看板


 ではなぜ、巨人に有望な大型選手が育たないのか?

 一つは間違いなくドラフトでのクジ運の悪さにある。直近5年のドラフト1位を調べてみるとそれは明らかだ。

17年 清宮幸太郎(日本ハム)、村上宗隆(ヤクルト)
18年 根尾昂(中日)、辰己涼介(楽天)
19年 奥川恭伸(ヤクルト)、宮川哲(西武)
20年 佐藤輝明(阪神)
21年 隅田知一郎(西武)

 これらは巨人が1位指名して抽選に敗れた選手たちだ。ドラ1がすべてとは言わないが、このうち2~3選手でも獲得できていればチームの未来図は変わっていただろう。

 もう一つの因は「常勝軍団」と言う看板である。ドラフト制以降、戦力の均衡は明らかで、その分をFA、トレードと大物外国人の獲得で埋めてきた。だが、そうなると若手の出番は必然的に減る。

 昨年を例にとるなら吉川や松原クラスでもちょっと打撃に陰りが見え出すと先発から外れてしまう。チームとして本物のレギュラーに育て上げようとする姿勢は見えて来なかった。

 キャンプでは最速155キロの快速球を投じる堀田の将来性に評論家達も高い評価を与えている。紅白戦でいきなり3安打を放った中山を原監督は「自分の大学2年時と比べても数段上」と持ち上げた。

 新任の桑田真澄チーフ投手コーチは若い戦力の積極起用を明言している。フロントには川相昌弘元二軍監督が背広組ながら「ファーム総監督」として育成型チームの総括責任者に就任した。

 例年以上に育成方針を打ち出したチームが2~3年先にどう生まれ変わっていくのか?

 今度ばかりは、掛け声倒れで終わるわけにはいかない。巨人と言う組織全体の本気度が問われている。

文=荒川和夫(あらかわ・かずお)

【PR】読売ジャイアンツを観戦するなら「DAZN Baseball」

阿部慎之助監督のもと、新たなチーム作りを進める巨人。戸郷翔征を軸とした投手陣の整備、主砲・岡本和真のさらなる進化が覇権奪回のカギを握る!

「DAZN Baseball」とは、月額2,300円(税込)でDAZNのプロ野球コンテンツをすべて楽しめるプランです(月々払いの年間プランのみ)。

プロ野球だけを楽しみたい方は、月額4,200円(税込)のDAZN Standard​よりも1,900円お得に視聴できます。

POINT

ペナントシリーズ、交流戦、CSまで余さず堪能できる!

② オフシーズンもドキュメンタリーやバズリプレイなどコンテンツが充実!

毎月2,300円でライブ配信・見逃し配信・ハイライトまで視聴可能!

【PR】「DMM×DAZNホーダイ」でプロ野球を観よう!

「DMM×DAZNホーダイ」とは、DMMプレミアムとDAZN Standardをセットで利用できるプラン。

単体契約ならDMMプレミアム月額550円(税込)、DAZN Standard月額4,200円(税込)のところ、本プランなら月額3,480円(税込)だからとってもお得です。

POINT

① 「DMM×DAZNホーダイ」なら単体契約より月額1,270円(税込)も安い!

② DAZNだけの契約と比較しても月額720円(税込)お得に楽しめる!

③ 新規入会月から最大3カ月間、「DMMポイント」を550ポイント付与!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西