コラム 2022.05.09. 07:08

広島の快進撃を支える「4本柱」 エース・大瀬良大地の大黒柱たる所以

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広島・大瀬良大地 (C) Kyodo News

信頼を集める不動の大黒柱


 広島の先発陣は「4本柱」と呼ばれている。

 昨季最多勝を獲得した九里亜蓮、東京五輪の決勝戦で先発した森下暢仁、4月に一時防御率リーグトップに立った床田寛樹。彼らの存在感が高まる中でも、不動の大黒柱は大瀬良大地である。




 大瀬良は4年連続となる開幕投手を務め、4月を終えた時点で4勝と2完投はいずれもリーグトップタイという好発進を決めた。

 ただし、投手陣の中心に立っているのは、優れた個人成績だけが理由ではない。

 今季から選手会長に任命されたように、チームのために行動する姿勢でもナインからの信頼を集めている。



後輩のために…


 今年1月、沖縄市内で森下ら4人の後輩と合同練習を実施した。

 後輩からは、昨季終了後から「ぜひ1月からお願いします」と連絡が入ってきた。その積極性は買いながらも、ほんの少しの疑問も感じていたと言う。

 そこで昨年12月、自ら連絡した。

 「本当はそっちから言ってほしかったけど連絡もないし、もう俺から言うわ。1月だけじゃなくて、いまから一緒にやった方がいいでしょ。マツダに来い」

 例年通り、年内までは個人のケアやトレーニングに集中したかったはず。それでも、後輩のために年明けからの合同練習を前倒しして、都合の合った大道温貴らと12月からマツダスタジアムで動き始めた。


 12月~1月は片道50メートルの往復走を休憩20秒のみで約50本。別日にはポール間走を40本こなす日もあった。

 最新理論では、過度な走り込みを否定するものもある。それを把握した上で、後輩と一緒に走り続けた。

 「自分の球が速くなったのは、誰よりも走り込んだからだと思っている。だから、自分が成長してきたものも大事にしたい。走り方と投球の動きに連動性があると思っていて、たとえば、しんどくて肩を使って走ってしまうことと、疲れたときに投球フォームが横振りになってしまうことは同じような理屈だと思う」

 単なるスタミナ強化のためだけに走り込んだわけではない。いかに投球につなげられるかを考え抜いた結果、過酷な練習を選んだ。


「持ちつ持たれつ、支え合いながら」


 2月の春季キャンプに入っても、可能な限り後輩の面倒を見た。

 頼まれれば居残り練習にも付き合い、高卒2年目の小林樹斗には「俺はいまの年齢になって、ようやく分かったことがある。いまのうちに勉強できることがあるなら、全てやっておいた方がいいよ」と伝えた。

 2020年9月に右肘を手術し、昨季4月は故障で一時離脱。まだ故障を知らない11学年下の後輩への助言は「難しいことかもしれないけど、いまの彼の頭に入れておくだけでも違うはず」という思いやりからだった。


 開幕後も栗林良吏が今季初黒星を喫した直後に連絡を入れて励ますなど、リーダーとしての役割を全うしている。

 4月中には「持ちつ持たれつ、支え合いながらカープらしい野球ができている。いいときも悪いときも手を合わせて頑張っていきたい」と力強く誓った。

 長いシーズン、必ず訪れるチームの浮き沈みは、大瀬良を中心とした結束力で乗り切ろうとしている。


文=河合洋介(スポーツニッポン・カープ担当)
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