コラム 2014.06.30. 14:55

「はずれはずれ1位」から首位打者を狙え! ヤクルト・山田哲人

3度目に1位指名された男が堂々の首位打者争いを展開!


 DeNAと最下位争いをくり広げながらも、相変わらず打線が好調なヤクルト。

 その中で3割以上をキープし続け、早くも「リーグ最年少首位打者」を期待されているのが、7月で22歳になる山田哲人だ。高校卒3年目だった昨年、94試合に出場してブレークを果たすと、今季は開幕から1番・セカンドに定着。6月21日のオリックス戦からは、3番を任されるようになった。ヒットを打つ技術に、パワーもついてきただけに、このまま3番に定着する可能性もある。

 名手・田中浩康の後釜として十分すぎるほどの活躍ぶり。だが振り返れば、2010年10月28日に行われたドラフト会議で、斎藤佑樹(早稲田大→日本ハム)を外し、塩見貴洋(八戸大→楽天)を外し、ヤクルト3度目の1位指名のコールを聞いた瞬間、「ヤマダテツトって誰?」と思った人は多かったのではないだろうか。


ドラフト中継を見て始まった驚異の急成長ストーリー!



 山田は1992年生まれの兵庫県出身。中学時代はヤングリーグ(硬式)の兵庫伊丹に所属していた。同チームからは、関西の野球強豪校へと進学する選手が多く、先輩プロ選手として、山崎勝己(オリックス)、尾崎匡哉(日本ハム)、古野正人(ヤクルト)らがいる。

 中学卒業後は、履正社高校(大阪)へ。1年夏からベンチ入りし、秋の新チームから3番・ショートの座を獲得した。岡田龍生監督ら指導者による評価の証だが、本人に熱く燃えたぎるものはなく、外部からは「雰囲気が伝わってこない」といった曖昧な部分で評価を下げていた。同期の大阪でプロ注目といえば、吉川大幾(PL学園高校→中日)、観野甲輝(PL学園高校→楽天)、江村直也(大阪桐蔭高校→ロッテ)であり、近畿まで範囲を広げれば、西川遥輝(智辯和歌山高校→日本ハム)を推す声が高かった。

 それが、2年秋以降に急成長。入学当時から見守ってきた記者が「別人と感じるほどプレーのレベルも雰囲気も変わった」というほどだった。2009年秋のドラフト会議をテレビで見て「来年はここで名前を呼ばれたい!」と強く思い、野球に取り組む姿勢が一変したという。ちなみに、その年の「目玉」といわれたのは、菊池雄星(花巻東→西武)。約1000人のファンが初めて会場内に入り、それまでにない盛り上がりをみせていた。

 一冬越えた3年春の大阪大会は、打率.435を記録して優勝に貢献。最後の夏は、吉川と観野を擁するPL学園高校も倒して優勝。甲子園では3回戦で聖光学院高校(福島)に敗れたが、2点リードされた6回、2年生エース・歳内宏明(現・阪神)から同点ホームランを放つなど、強烈な印象を残して高校野球を終えた。

 当時の山田について、「関西から現れた高校生遊撃手では池山隆寛(現・ヤクルトコーチ)、松井稼頭央(現・楽天)、中島裕之(現・アスレチックス)と並ぶ資質」と評した記事があったほど。なお、「坂本勇人(巨人)二世」ともいわれた山田だが、キャラクター的に明るくて優しそうな中島裕之が好きだと明かしている。

 高校生遊撃手として評価された山田だが、2年生の一時期はセカンドを守っていた。最後はショートに戻ったものの、セカンド守備を高く評価する声も多くあった。結果的に、ヤクルトのスカウトや球団首脳陣の見る目の確かさ、チーム作りの計画性と執念が、しっかり実を結んだことになる。

 バッティングではインコースをさばくのがうまく、それもあっての「坂本二世」だった。高校時代は「回転で打つ」というシンプルな打撃論。加えて、偉大な先輩・T-岡田(オリックス)以上の数値を叩きだした驚異のスイングスピード。高校通算31本塁打は高い技術の表れであり、現在にもつながっているといえよう。

 4年前、「はずれはずれ1位」とも揶揄された高校生野手。それが、イチロー(ヤンキース)、青木宣親(ロイヤルズ)、長嶋茂雄(元・巨人)らと並び、「20代前半での首位打者」を期待されるまでになった。それでも本人は奢ることなく、杉村繁コーチ、真中満コーチらと共に、ティーバッティングなど地道な練習を重ねているという。高校2年秋、テレビでドラフト会議を見て始まった成長物語は、まだまだ続いていきそうだ。

文=平田美穂(ひらた・みほ)

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