コラム 2023.06.07. 19:43

「10度」達成のイチロー以外は1人だけ 日本人打者には高すぎる“打率3割の壁”に挑む吉田正尚

無断転載禁止
好調をキープしている吉田正尚

日本選手3人目の快挙なるか


 レッドソックスの吉田正尚は6日(日本時間7日)、敵地で行われたガーディアンズとの一戦に先発出場。初回から安打を放つと、5回の第3打席目まで3安打の固め打ち。結局この日は5打数3安打で、今季の打率を.319とした。

 4月中旬には打率1割台に低迷していた吉田だが、その後はメジャーの投手を相手に見事なまでに順応してみせた。4月20日以降は.365というハイアベレージをマークしている。

 ア・リーグの打率ランキングでも2位と好位置をキープ。NPB時代の実績も踏まえれば、首位打者争いも期待できそうだ。


 ただし、チームはまだシーズン61試合を消化したところ。メジャーではルーキーの吉田にとっても、まさにこれからが試練と言える。このまま打率3割を維持するのも、決して楽ではないはずだ。

 過去の日本人打者を振り返ってみても、“打率3割”の難しさはよく分かる。2022年シーズンまでの段階でメジャーで規定打席に到達したことがある日本人打者は計9人いるが、そのうちシーズン打率が3割に達したのは2人しかいない。

 1人目は、もちろん日米通算4367安打を放ったイチロー氏。マリナーズ移籍1年目の01年にいきなり.350の高打率で首位打者にも輝いた。その後は10年まで10年連続で打率3割を達成。11年以降は3度の規定打席到達はあったが、3割には届かなかった。

 そしてもう一人の3割打者は、NPB時代から常にイチロー氏と比較されてきた松井秀喜氏だ。こちらはメジャー3年目の05年に.305をマーク。翌06年にも.302を記録しているが、この年はケガのため51試合の出場にとどまっている。結局、規定打席に到達した年の打率3割は1度だけだった。


▼ 日本人打者の打率3割達成率
(規定打席到達シーズンのみを対象)

イチロー :76.9%(10/13)
松井 秀喜:14.3%(1/7)
井口 資仁:0.0%(0/3)
福留 孝介:0.0%(0/3)
青木 宣親:0.0%(0/3)
松井稼頭央:0.0%(0/2)
城島 健司:0.0%(0/2)
岩村 明憲:0.0%(0/2)
大谷 翔平:0.0%(0/2)


 イチロー氏の全盛期を知るファンは、メジャーでの打率3割にそれほど特別感はなかったはずだ。それはイチロー氏がいとも簡単に達成していたから他ならない。

 しかし、NPB時代に首位打者に複数回輝いた青木宣親や福留孝介氏ですら、メジャーでは一度も3割を達成できなかったように、シーズンを通して3割を維持することは簡単なことではない。


 ちなみに、今もヤクルトで活躍する青木はブルワーズ時代の12年に7月上旬まで打率3割をキープしていたが、最終的には.288でシーズン終了。福留氏はカブス時代の08年に6月下旬まで3割台を維持していたが、.257で1年目を終えている。

 果たして、吉田はイチロー氏、松井秀氏に次ぐ日本人3人目の打率3割を達成できるのか。チームはまだ101試合を残している。


文=八木遊(やぎ・ゆう)

【PR】「ABEMA」ならドジャース戦、パドレス戦が毎日視聴可能!

ABEMA × MLB

「ABEMA」とは、好きな時間に好きな場所で、話題の動画を楽しめる新しい未来のテレビ。登録不要でドジャース戦を含む様々なコンテンツが無料で視聴できます。ただし、無料配信は一部のため、日本人メジャーリーガーの活躍をすべて観るなら「ABEMAプレミアム」月額960円(税込)への加入がおすすめ。

POINT

① ABEMAプレミアムならすべてのドジャース戦が視聴可能!TV視聴も可能!

追っかけ再生、見逃し配信などうれしい機能が充実!

③ 初めてABEMAプレミアムに登録する方は2週間無料!

ポスト シェア 送る

もっと読む

  • ALL
  • De
  • 西