最大11あった貯金がゼロに
メジャー屈指の常勝軍団・ヤンキースが窮地に陥っている。
現地15日(日本時間16日)、ヤンキースは今季メジャー最高勝率を誇る強豪・ブレーブスと敵地のアトランタで対戦。先発登板したかつての大黒柱ルイス・セベリーノが初回にいきなり3点を失うと、4回にも2点を献上し、この回限りで降板。4人のリリーフ陣は5回以降を1安打、無失点に抑える奮闘を見せたが、打線は2回にDJ・ラメーヒューが放った1安打だけに封じ込まれた。
0-5で完敗を喫したヤンキースは、これで今季4度目の4連敗。今季成績は60勝60敗となり、6月4日に今季最大11個を数えた貯金はこれで底をついた形だ。
ヤンキースの貯金がゼロとなるのは、5月1日以来で3カ月半ぶりのこと。ア・リーグのワイルドカード争いで最後(3チーム目)の枠を確保しているブルージェイズがこの日勝利したため、その差は6.5ゲームに広がった。
もしこのままブレーブスとの3連戦最終戦にも敗れると、今季初の借金生活に突入することになる。連敗中でチームのムードも良くないだけに、このままズルズルといけば、ポストシーズン争いはおろか、勝率5割維持も難しくなるかもしれない。
シーズン負け越しとなると…?
ヤンキースが負け越してシーズンを終えるようなことになれば、1992年以来なので、実に30年ぶりの珍事となる。
目下30年連続で勝ち越しに成功しているヤンキースだが、実はこの記録は歴代2位。歴代最長記録を保持しているのもやはりヤンキースで、1926年から64年にかけて、39年連続勝ち越しを達成している。
ちなみに、進行中の連続シーズン勝ち越し記録でヤンキースに次ぐ2位は、15年連続(2008~22年)のカージナルス。しかし、そのカージナルスは今季開幕から大苦戦しており、現在2ケタの借金を抱えて地区最下位に沈んでいる。
もしヤンキースとカージナルスが今季そろって負け越せば、2011年から12年連続で勝ち越し中のドジャースが1位に浮上することになるだろう。
いずれにしても、強豪がそろう地区に所属するヤンキースにとって険しい道のりが待っているのは間違いない。
残り42試合でいったいどんな戦いぶりを見せてくれるだろうか。
文=八木遊(やぎ・ゆう)