「お願いだからケガだけは...」
15日、侍ジャパン強化試合(5日ナゴヤドーム、6日京セラドーム大阪)の招集メンバーが発表された。
主要メンバーの大谷翔平(日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)、柳田悠岐(ソフトバンク)らが辞退。メジャー移籍した前田健太(ドジャース)はもちろん、今秋のドラフト最注目投手・創価大の田中正義も辞退...。小久保ジャパンにとっての2016年は、すっきりしない形での船出となりそうだ。
時期的なものもあるだろう。今シーズンはセ・パ両リーグともに3月25日開幕。プロは各チーム共に、開幕を見据えた最も大事な時期と言っても過言ではないはずだ。
さらに開幕投手候補ともなれば、開幕日からさかのぼっての調整が行われている時期でもある。侍ジャパンのエース格でもある大谷は、まさにそれに当てはまる。
無事にキャンプを乗り越えれば、間違いなく今年の開幕投手は大谷でいくだろう。二刀流ということもあるが、開幕に照準を合わせた調整を行っている最中であるため、今回の試合への参加は見送りとなった。
また、アマからの侍ジャパン入りが有力だった156キロ右腕・田中正義(創価大)も、出場辞退となった。
昨年6月に行われたNPB選抜との壮行試合に出場し、プロ相手に7連続三振を奪った“怪物”。だが、「疲労蓄積」を理由に大学側と本人で話し合い、結果辞退が決まった。小久保監督も一目置くアマの大器が、世界相手に通用するのか…。強化試合でもあり、最高の舞台であったが、見送りとなってしまった。
何故、この時期に…。試合自体を問題視する声もあるが、ポジティブにとらえれば、打者には「生きた球」を見れるという利点があり、投手は実戦のマウンドに上がれるという利点もある。
ただ各球団の首脳陣とすれば、「お願いだから、ケガだけはしないでくれ」と、祈るような気持ちでこの2試合を見守ることになるだろう。