コラム 2016.02.27. 10:00

球界を明るく盛り上げる!東大の快進撃に期待

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大学野球の聖地・神宮球場

今年の東大は面白い!


 昨年の野球賭博問題に加え大物OBの薬物問題と不祥事が続き、プロ野球界に逆風が吹いている。

 これらの問題はプロはもちろん、アマチュア、さらにはプロ野球を目指す子供たちにも与えている影響は大きいだろう。

 もうスポーツマンシップをプロ野球に求めることはできないのだろうか……。いや、大丈夫だ。逆風を追い風に替えるカギは、そうあの「弱小球団」東京大学野球部が握っている。

 これまでの六大学リーグにおいて、「5強1弱」と揶揄されていた東大。学力では文句なしに日本の頂点であるが、こと野球では通算「246勝1580敗」、リーグ戦では平成9年秋に5位になったのを最後に、最下位が続いている。

 しかし、今年の東大は面白い。昨春に連敗を「94」でストップさせ、秋にも1勝。昨年は1点差で惜しくも破れたという試合も多く、確実に他の5大学を“本当の意味で”脅かす存在になりつつあるのだ。


球界を盛り上げる快進撃に期待...


 十分に戦える戦力もある。その最も大きな要因として、投手陣の充実が挙げられる。

 浜田監督、そして2014年に就任した中西正樹助監督の徹底した指導が実り、左腕の宮台や、東大史上最速右腕・山本など、他大にも見劣りしない先発投手陣が完成。

 そして、リーグ戦での登板経験を重ね、連敗ストップの勝利投手となった柴田に、早大入学後に仮面浪人をして東大合格を果たした出田、文科2類主席入学の加藤など、バラエティに富んだ顔ぶれも文武両道の「頂」・東大ならではだ。

 さらに、打者陣も他の5大学のエースの球を見慣れて目が肥えており、接戦での一打も出るようになってきた。楠田、山田に体重100キロ級の田口など、長打も期待できる打線は、投手陣同様目が離せない。

 東大ならではのIQ野球に加え、他の5大学との戦力の拮抗。間違いなく、今年の六大学野球で台風の目になる。

 「どうせ負けるだろう」…。そんな声が多い中、弱小軍団・東大野球部が次々と勝ち星を挙げる。こんな夢物語が、野球界の信頼を取り戻す大きな要因となり、野球本来の魅力を再びアピールすることにつながるはずだ。

 東大らしい、スポーツマンシップに乗っ取った野球で強豪校を撃破。そこに大きな感動が生まれ、昨今の嫌な話題で「野球離れ」してしまった人たちも、グラウンドにきっと戻ってくるはず。

 東大、頑張れ!
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