コラム

縁の下を支え続けて18年目…巨人捕手陣に欠かせない加藤健の“存在感”

後輩から愛される頼れるベテラン


 今年の巨人は、チームの大黒柱・阿部慎之助がファーストからキャッチャーに復帰。将来の正捕手候補と目される小林誠司とのレギュラー争いに注目が集まっている。

 そんな中、巨人のキャッチャー陣にとって欠かせない存在となっているのが、プロ18年目のベテラン・加藤健の存在だ。

 加藤は昨年までの17年間で、シーズン最多出場は昨年の35試合。正捕手として過ごしたシーズンは一度もない。それでも、巧みなリードには定評があり、内海哲也ら巨人投手陣からは絶大な信頼を置かれている。

 誰からも親しまれ、憎めない奴。加藤を表すならこんな言葉が似合うかもしれない。

 2014年にはこんな出来事があった。9月19日のヤクルト戦、先制タイムリーを放った加藤は、試合後のヒーローインタビューでお立ち台に立った。

 すると長野久義、矢野謙次から立て続けに大量のシェービングクリームを顔に浴びせられ、手荒い祝福を受ける。加藤はそのままクリームまみれの顔でインタビューに答えていた。その人柄の良さと、チームメイトから愛されるキャラクターをうかがわせる一幕だった。


長きにわたる逆境にも負けず...


 新潟・新発田農高時代、3年春夏と甲子園に出場した加藤は、1998年・秋のドラフト会議で上原浩治、二岡智宏に続く3位指名で巨人に入団した。

 当時の正捕手・村田真一の後継者として大きな期待を寄せられ、プロ2年目の2000年には、リーグ優勝が決まった後の消化試合で一軍初出場を果たし、経験を積んだ。

 ところが、この年のオフに中央大から阿部慎之助がドラフト1位で入団する。

 翌2001年、開幕マスクを被った阿部はそのまま正捕手に。一方、加藤は二軍生活が続き、なかなか一軍に定着できなかった。

 逆境に置かれた加藤だったが、それでも決して腐ることなく前を見続けてきた。

 プロ9年目の2007年には、9月14日の広島戦で9回に起死回生の同点打を放ち、21日の横浜戦では7回に寺原隼人からプロ初本塁打となる3ランを放った。

 依然として正捕手の座には阿部が君臨し続けていたが、この頃から貴重なバックアップメンバーとして存在感を発揮していく。


チームを支え続けた18年間


 2013年の暮れ、加藤の地元・新潟の地方紙である新潟日報の投書欄に、「巨人では活躍する姿が見られない。ぜひ他球団へ移籍して、もっと活躍して欲しい」という県民の声が掲載された。

 確かに「もし他球団に移籍していたら…」という声も少なくない。それでも加藤は巨人でプレーし続けている。

 この年の9月22日、前日に帯状疱疹で欠場した阿部の状態を受けて、加藤は急遽一軍に登録される。

 そこでそのままスタメンに起用されると、その試合で先制打を放った。その後、阿部は最後の1イニングだけ出場し、巨人はリーグ優勝。加藤の存在感を見せつけた試合だった。

 阿部という絶対的な存在に加え、相川亮二や實松一成といった実績のある移籍組が加入するなか、腐らずに牙を研ぎ続けた18年目の35歳。

 大黒柱の阿部も常に万全の状態で戦えるわけではないし、3年目の小林もまだまだ発展途上。高橋由伸新監督が指揮を執る今年の巨人でも、捕手陣の「縁の下の力持ち」として、加藤の力が必要とされる時が必ず来るだろう。

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