今季の日本シリーズは投手陣の好投が光った。中でも脚光を浴びたのが、第2戦に先発したソフトバンクの武田翔太。縦に大きく割れるカーブで阪神打線を6回途中までパーフェクトに抑え込み、シリーズの流れを変えた。
武田だけではなく、同じく先発として日本一に貢献した大隣憲司と摂津正もカーブを効果的に使い、中継ぎで4連投した五十嵐亮太も、代名詞のナックルカーブを駆使し5イニングを無失点に抑えた。対する阪神投手陣も、第1戦と第5戦で好投したメッセンジャー、第4戦で粘りの投球を見せた岩田稔が緩い変化球を有効活用。トップレベルの投手たちがシリーズを通して、改めてカーブという球種の優位性を示してくれた。
シーズンを見ても、5月にノーヒットノーランを達成し低迷するチームの中で13勝4敗、防御率2.51と奮投した岸孝之(西武)。その岸を上回り、最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得した金子千尋(オリックス)も、良質なカーブを効果的に操り白星を積み重ねた。
また、メジャー移籍3年目となったダルビッシュ有は、数ある球種の中のスパイスとしてスローカーブを操り打者を翻弄。初出場した今季のオールスターでもスローカーブを投げ込みファンから喝采を浴びた。
そんな中、今季カーブで再生した投手として真っ先に思い浮かぶのがDeNAの山口俊。開幕から中継ぎとして結果を残せず5月上旬に二軍落ち。そして約1カ月後に復帰したかと思ったらまさかの先発転向。しかし、この荒療治とも言える配置転換が、山口のポテンシャルを開化させた。
先発での山口を見て、まず力感のないゆったりとしたフォームが目に付いた。さらに、抑え時代は一発回避のためほとんど投げなかったカーブをカウント球として多投。ストレートとフォークが軸だった抑え時代とは、組み立て自体が変化した。
また、山口の父親がかつて力士だった話はあまりにも有名。自身も幼少期に相撲を通して徹底的に鍛えられ、強靭な下半身を作り上げた。その成果なのか、一番疲れの出る9月にあっさり3完投(うち2完封)を達成。メリハリを生む良質なカーブに長いイニングに耐えられる下半身。そもそも山口という投手は、先発投手としての資質を兼ね備えた投手だったと言える。
転向後いきなり3連勝をマークし、二軍降格時は7点台だった防御率は一気に3点台まで良化。さらに6月と9月に月間MVPを受賞し、終わってみれば8勝5敗、防御率2.90の好成績でシーズンを終えた。
メジャーリーグが身近になって以降、カットボールやツーシームなど、バットの芯を外す球種が主流となるつつあったが、今季は緩急をより重視する投手たちが揃って結果残した。さらに球場拡大の影響で被弾のリスクが減ったとなれば、今季の山口のようにカーブに活路を見出す投手が今後も増えてきそうだ。
武田だけではなく、同じく先発として日本一に貢献した大隣憲司と摂津正もカーブを効果的に使い、中継ぎで4連投した五十嵐亮太も、代名詞のナックルカーブを駆使し5イニングを無失点に抑えた。対する阪神投手陣も、第1戦と第5戦で好投したメッセンジャー、第4戦で粘りの投球を見せた岩田稔が緩い変化球を有効活用。トップレベルの投手たちがシリーズを通して、改めてカーブという球種の優位性を示してくれた。
シーズンを見ても、5月にノーヒットノーランを達成し低迷するチームの中で13勝4敗、防御率2.51と奮投した岸孝之(西武)。その岸を上回り、最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得した金子千尋(オリックス)も、良質なカーブを効果的に操り白星を積み重ねた。
また、メジャー移籍3年目となったダルビッシュ有は、数ある球種の中のスパイスとしてスローカーブを操り打者を翻弄。初出場した今季のオールスターでもスローカーブを投げ込みファンから喝采を浴びた。
そんな中、今季カーブで再生した投手として真っ先に思い浮かぶのがDeNAの山口俊。開幕から中継ぎとして結果を残せず5月上旬に二軍落ち。そして約1カ月後に復帰したかと思ったらまさかの先発転向。しかし、この荒療治とも言える配置転換が、山口のポテンシャルを開化させた。
先発での山口を見て、まず力感のないゆったりとしたフォームが目に付いた。さらに、抑え時代は一発回避のためほとんど投げなかったカーブをカウント球として多投。ストレートとフォークが軸だった抑え時代とは、組み立て自体が変化した。
また、山口の父親がかつて力士だった話はあまりにも有名。自身も幼少期に相撲を通して徹底的に鍛えられ、強靭な下半身を作り上げた。その成果なのか、一番疲れの出る9月にあっさり3完投(うち2完封)を達成。メリハリを生む良質なカーブに長いイニングに耐えられる下半身。そもそも山口という投手は、先発投手としての資質を兼ね備えた投手だったと言える。
転向後いきなり3連勝をマークし、二軍降格時は7点台だった防御率は一気に3点台まで良化。さらに6月と9月に月間MVPを受賞し、終わってみれば8勝5敗、防御率2.90の好成績でシーズンを終えた。
メジャーリーグが身近になって以降、カットボールやツーシームなど、バットの芯を外す球種が主流となるつつあったが、今季は緩急をより重視する投手たちが揃って結果残した。さらに球場拡大の影響で被弾のリスクが減ったとなれば、今季の山口のようにカーブに活路を見出す投手が今後も増えてきそうだ。