8年ぶりに広島に復帰した黒田博樹が18日、テレビ朝日系の報道番組『報道ステーション』に出演し、広島OBで黒田とも一緒にプレーしたことのある前田智徳氏と対談した。

　黒田がメジャーに渡る前の07年まで一緒にプレーしていた前田氏は当時の黒田について「いつも長いイニングを投げる。球数を投げる」という印象を持っていたそうだ。黒田も「あの当時は、知らない間に完投させられていた。7回、8回くらいになると僕の近くから遠くなる。僕の意見を聞いてもらえないというか。それで育ててもらった」と当時を振り返った。

　日本時代はストレート主体で力を押すスタイルだったが、メジャーで生き抜くためにスタイルを変更することが重要だと感じていた。その事について黒田は「パワーヒッターが多い中で、自分の真っすぐで勝負しきれないところがあった。どこかで自分のスタイルを変えていかないと生きていけないなと早くに気がついたのが大きかった」とし、そこで身につけたのがツーシームだった。

　ツーシームを取得したことで、登板間隔にも好影響をもたらしたそうで「フォーシームより負担が少ない。フォーシーム投げるピッチャーは腕にストレスを感じたりする。ツーシームは疲労を感じる事が少ない」と効果を説明。

　また、ツーシームを習得後に黒田の代名詞となったのが、フロントドアだ。フロントドアとは、左打者であれば、ツーシームを体に当たりそうなコースからストライクゾーンに曲げる球のこと。これについては「バッターの近くで曲げたいというのがある。本当にストレートの軌道でいって最後の最後でバッターの近くで小さく強く曲がるイメージの方があっているのではないかと思います」とした。

　前田氏が「バッターのどの辺りを狙ってなげているのか」と質問をぶつけると、黒田は「言えないことはたくさんあるが、体を目指して投げることもある。曲がらなかったらそのまま真っすぐいってくれればボールになるわけなので、楽な気持ちで投げるようにしている」と明かした。

　最後は前田氏が「日本で真似をする投手が出てくると思うのですけど、前田健太投手とか大瀬良大地投手とかいますが、聞かれたりしないのですか」と鋭い質問をすると、黒田は「どうですかね。ご想像にお任せします」と上手くかわした。