ニュース 2015.03.18. 17:30

実は防御率12球団ワースト!? 黒田フィーバーに沸いた広島投手陣の今

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オールスター第2戦の先発が予定されている広島の黒田博樹©BASEBALLKING
 年越しも迫った12月27日、ひとつのニュースが広島を、日本の野球ファンを大きく沸かせた。

 “黒田博樹、広島復帰”…。メジャーで5年連続2ケタ勝利を達成し、FAとなったオフもメジャー球団から高額な誘いがあった中での復帰の決断は「男気」と賞賛された。

 巻き起こった黒田フィーバーの勢いは留まるところを知らず、復帰初登板となった3月8日のヤクルト戦ではオープン戦にも関わらず2万2942人のファンが詰めかけた。

 成長著しいチームにヒーロー見参。さらにメジャーとの狭間で揺れたエース・前田健太が残留したこともあり、リーグでも屈指の投手陣が完成したというのが大方の見方であった。

 ところが、ここまでのオープン戦を見るとその投手陣がピリッとしない。8試合で39の失点を喫し、防御率は12球団ワーストの4.70というのが現状だ。

 原因を探ってみると、大きな要因の一つが12失点を喫した3月7日のヤクルト戦。オフの戦力外通告から這い上がった左腕・佐藤祥万が2番手としてマウンドに上がるも、ヤクルト打線に捕まり6失点と炎上。奪ったアウトはひとつだけでマウンドを降り、その後を受け継いだ小野淳平も1回と2/3を4失点。火の着いたヤクルト打線を止めることが出来なかった。

 その他にも、ドラフト6位ルーキーの飯田哲矢が0回2/3で自責点7と苦しみ、防御率にして94.50。育成のデヘススも5回2/3で自責点5、防御率7.94という成績。まとめると、アピールしたい若手投手たちの苦戦が目立つ結果となっている。

 その一方で、エースの前田健太は2試合に登板して9イニングで1失点。唯一の失点となった山田哲人に浴びた本塁打も、「あえて」山田の得意コースに投げて「試した」ものであり、仕上がりの良さを伺わせる。

 フィーバーの張本人である黒田博樹も、2試合で10回と2/3を投げて自責点は2。メジャーで冴え渡った熟練の投球術は日本でも光った。

 試合数が少ないため、なかなか全体の防御率も良くなってこないというところが現状だが、一見すると悪く見える防御率も、主力投手の調整は問題なく進んでいる。

 あとは、主力級を脅かしたい投手たちがここからどれだけ奮闘できるかどうか。巨人の4連覇阻止と24年ぶりの悲願へ向けて…。より強力になった広島の投手陣が、その原動力となる。

※記録は3月17日時点のもの。
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