今シーズン最初の“伝統の一戦”となった巨人対阪神のカードは、2勝1敗で巨人が勝ち越し。4日の試合では対阪神通算1000勝目となる勝利を挙げ、プロ野球史上初の同一カード1000勝も達成した。
この3連戦での大きな出来事と言えば、阿部慎之助の捕手復帰だろう。“新成”を掲げた原辰徳監督は、打撃不振の昨シーズンを受け、守備の負担が少ない一塁へのコンバートを決断。主砲の打棒復活にかけた指揮官は「捕手に戻すことは99%ない」と断言し、新シーズンに向けた準備を進めてきた。
ところが、開幕から一向に上向かないチーム状況に加え、FAで加入したベテラン捕手・相川亮二の負傷離脱。緊急事態を迎えた指揮官は、残していた1%の選択肢を採らざるを得なくなった。
しかし、この決断は吉と出る。阿部が一塁として出場していた4月2日までの6試合と、捕手に復帰したこの3試合の成績を比べると以下のようになった。
● 3月27日~4月2日(6試合)
巨人:2勝5敗
阿部:率.200(20-4) 本0 点3 出率.217 長率.250
● 4月3日~4月5日(3試合)
巨人:2勝1敗
阿部:率.636(11-7) 本0 点1 出率.636 長率.727
6試合と3試合の比較ではあるのだが、チームも、そして阿部個人としても数字が向上しているのが分かる。
特に阿部の打撃面では顕著で、開幕6試合は慣れない一塁守備から失点に関わるミスが目立ち、打撃でも精彩を欠いていたものの、キャッチャーミットを手に、慣れ親しんだホームベースの後ろに座った途端に快音を連発した。
さらに打つだけでなく、守っても土曜日の試合では前回登板で5回4失点と苦しんだアーロン・ポレダを来日初勝利へと導き、翌日はルーキー・高木勇人のプロ初完投初完封をアシスト。女房役としても違いを見せつけた。
原監督としても苦渋の決断ではあったが、相川の離脱と言う災いが良い方向へ転がった巨人。ただし、これは緊急事態に対しての“応急処置”に過ぎず、本腰を入れて正捕手へ育成していくことを決めた2年目の小林誠司や、相川がケガから復帰した際の起用法はまだどうなるのか分からない。
常に勝つことを求められたチームで、リーグ4連覇と日本一奪回を課せられた契約最終年の指揮官はどんなビジョンを描いているのか。原監督の決断は、今シーズンの巨人の大きなターニングポイントとなりそうだ。
この3連戦での大きな出来事と言えば、阿部慎之助の捕手復帰だろう。“新成”を掲げた原辰徳監督は、打撃不振の昨シーズンを受け、守備の負担が少ない一塁へのコンバートを決断。主砲の打棒復活にかけた指揮官は「捕手に戻すことは99%ない」と断言し、新シーズンに向けた準備を進めてきた。
ところが、開幕から一向に上向かないチーム状況に加え、FAで加入したベテラン捕手・相川亮二の負傷離脱。緊急事態を迎えた指揮官は、残していた1%の選択肢を採らざるを得なくなった。
しかし、この決断は吉と出る。阿部が一塁として出場していた4月2日までの6試合と、捕手に復帰したこの3試合の成績を比べると以下のようになった。
● 3月27日~4月2日(6試合)
巨人:2勝5敗
阿部:率.200(20-4) 本0 点3 出率.217 長率.250
● 4月3日~4月5日(3試合)
巨人:2勝1敗
阿部:率.636(11-7) 本0 点1 出率.636 長率.727
6試合と3試合の比較ではあるのだが、チームも、そして阿部個人としても数字が向上しているのが分かる。
特に阿部の打撃面では顕著で、開幕6試合は慣れない一塁守備から失点に関わるミスが目立ち、打撃でも精彩を欠いていたものの、キャッチャーミットを手に、慣れ親しんだホームベースの後ろに座った途端に快音を連発した。
さらに打つだけでなく、守っても土曜日の試合では前回登板で5回4失点と苦しんだアーロン・ポレダを来日初勝利へと導き、翌日はルーキー・高木勇人のプロ初完投初完封をアシスト。女房役としても違いを見せつけた。
原監督としても苦渋の決断ではあったが、相川の離脱と言う災いが良い方向へ転がった巨人。ただし、これは緊急事態に対しての“応急処置”に過ぎず、本腰を入れて正捕手へ育成していくことを決めた2年目の小林誠司や、相川がケガから復帰した際の起用法はまだどうなるのか分からない。
常に勝つことを求められたチームで、リーグ4連覇と日本一奪回を課せられた契約最終年の指揮官はどんなビジョンを描いているのか。原監督の決断は、今シーズンの巨人の大きなターニングポイントとなりそうだ。