3人の投手がケガで開幕メンバーを外れる……
2015年のメジャーリーグが、日本時間の7日に開幕する。
一昨年は、上原浩治がボストン・レッドソックスの一員としてワールドシリーズの胴上げ投手になり、昨年も青木宣親がカンザスシティ・ロイヤルズの一員としてワールドシリーズに進出するなど、日本人選手がMLBの世界において大きな戦力となっていることは嬉しい限りだ。
しかし、今季は多くの選手がケガに苦しんでいる……。
テキサスレンジャーズのダルビッシュ有はトミージョン手術のため、来年の開幕に間に合うかどうかという状況。順調に調整が進んでいたチームメートの藤川球児も、右足の付け根付近の張りで開幕は故障者リストに入る可能性が出てきた。
他にもシカゴ・カブスの和田毅とレッドソックスの上原がケガのため、開幕はメンバー入りしないようだ。
投手陣で開幕メジャー入りしそうなのは、レッドソックスの田澤純一、開幕3戦目の先発が濃厚なシアトル・マリナーズの岩隈久志、そしてニューヨーク・ヤンキースの開幕投手を務めることになった田中将大の3人だけである。
田中は、野茂英雄、松坂大輔、黒田博樹に次いで日本人メジャーリーガーでは4人目の開幕投手となる。昨季痛めた右ヒジへの負担を考慮し、開幕からしばらくは1試合100球をメドに、中5日以上の間隔を空けて登板する予定だ。
川崎のマイナー落ちに批判殺到
野手陣では、サンフランシスコ・ジャイアンツに移籍した青木が、オープン戦の打率こそ2割前半だが、8試合連続安打と開幕に向けて調子を上げてきた。昨年まで主に守っていたライトではなく、レフトの守備つくことが多いが不安はなさそうだ。
トロント・ブルージェイズの川崎宗則は、残念ながら開幕メジャー入りはならなかったが、リリーフ投手を通常より1人多い8人登録するチームの戦略上によるもので、いつメジャーに昇格してもおかしくない。川崎がマイナーで開幕を迎えると報じられたときに、地元のファンから批判が出るなど人気は相変わらずだ。きっとまたメジャーに戻り、地元ファンを湧かせるに違いない。
新天地でも圧倒的な存在感を誇り、メジャー通算3000安打は残り156本まで迫っているイチロー(マイアミ・マーリンズ)。外野のレギュラー陣は、メジャーでも屈指の若手3人がいるため、スタメンの機会は少なくなるかもしれないが、その中でどれだけヒットを積み重ねることができるか。
ところで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』という映画をご存じだろうか? 1980年代後半に大ヒットした映画で、マイケル・J・フォックス演じる主人公のマーティーが、タイムトラベルをする物語だ。
3部作のうちpart2の中で、1985年から2015年にタイムスリップしたマーティーが「今年のワールドシリーズはカブスとマイアミが対戦し、カブスがワールドシリーズチャンピオンになった」というニュースがラジオから流れ、驚くシーンがある。
映画が公開された当時、カブスは弱小球団でワールドシリーズ進出は夢のまた夢の話で、マイアミには球団さえもなかった。30年という長い時間を表すため、カブスとマイアミのワールドシリーズという架空の話を入れたのだろう。
現在、カブスとマーリンズはナショナルリーグに所属しているため、残念ながら両チームがワールドシリーズで対戦することはないが、どちらかのチームが勝ち進んだときはかなりの話題となるはずだ。カブスには和田、マーリンズにはイチローがいる。映画の予言が当たるかどうか――。10月まで続く長いシーズンの流れを大いに楽しみたい。
文=京都純典(みやこ・すみのり)