MLBシーズン展望 ナ・リーグ東地区編
ついに現地時間5日(日本時間6日)に迫ったメジャーリーグ開幕戦。もうすぐはじまる新シーズンの見どころや注目ポイントを、地区ごとに分けて紹介していく。
ここでは、ナ・リーグ東地区を取り上げる。まずは、シーズン展望の前に昨年の順位をおさらい!
1.ナショナルズ(96勝66敗)
3.メッツ(79勝83敗)
4.マーリンズ(77勝85敗)
5.フィリーズ(73勝89敗)
【ナショナルズ】
昨季、圧倒的強さを見せ2位以下に17ゲーム差をつけたナショナルズ。このチームの強みは何といっても投手陣で、チーム防御率は30球団トップの3.03をマーク。ストラスバーグ、J.ジマーマン、フィスターらに加え、今年から2013年のサイヤング賞投手・シャーザーが加わり豪華先発陣がそろった。
打線は昨季2人で合計161試合の出場にとどまったハーパーとR.ジマーマンが復活し、シーズンを通して活躍できれば100勝超えも視野に入ってくるだろう。
【ブレーブス】
2013年に96勝をマークしたかつての常勝軍団が転換期を迎えている。昨季はナ・リーグ3位のチーム防御率を誇ったが、2桁勝利を挙げた先発4人のうち2人が抜けた。救援陣が充実しているだけに、先発投手陣の活躍次第では、昨季以上の勝利数も可能だろう。
ただし昨季ワースト2位の1試合平均得点(3.5)に終わった打撃陣の奮起が必須となる。過去2年間大不振に陥っているアプトンが2012年のレベル(28本塁打、78打点)に戻らなければ、チームは苦しいシーズンとなるだろう。
【メッツ】
2008年以来のシーズン勝ち越しを目指す。2年前の首位打者カダイヤーを獲得し、メジャーワースト3位のチーム打率に終わった打線のテコ入れを図った。かつてのオールスター常連選手ライト、グランダーソンもそれぞれ32歳、34歳とまだまだ老け込む年ではない。
投手陣ではトミー・ジョン手術から完全復活を目指す26歳ハービーがポテンシャルを発揮すれば、ワイルドカード争いには絡んできてもおかしくはない。
【マーリンズ】
イチローの加入により日本での注目度ががぜん高まった。オフには主砲スタントンと超大型契約を結び、トレードなどでも積極的に補強を行っている。新加入のモース、ゴードン、プラドらが昨季並みの成績を残せば、抜け目のない打線が完成し、ワイルドカードの有力候補となるだろう。
あとは、トミー・ジョン手術から復活を目指すエースのJ.フェルナンデスが戻るオールスター前後まで勝率5割を保つことができるかどうかが一つのカギとなりそうだ。
【フィリーズ】
2007年から地区5連覇を果たした強豪も、2011年から102勝(地区1位)→83勝(同3位)→73勝(同4位)→73勝(同最下位)と右肩下がり。打者ではハワード、アトリー、投手ではハメルズ、パペルボンとかつてのオールスター級選手が並ぶが、どの選手にもトレードのうわさがつきまとう現状ではチームの士気も上がらない。この先2~3年は若手の育成期間となるだろう。
【総評】
この地区の勢力図をまとめると、メジャー全体でも最もワールドシリーズ制覇に近いとみられるナショナルズの地区連覇はほぼ疑いようがない。それをマーリンズとメッツが追うが、ワイルドカード争いが精いっぱいか…。
● ナ・リーグ東地区の日本人選手
イチロー(マーリンズ)
メジャー15年目/42歳 外野手
昨季成績:143試 率.284 本1 点22 安102 盗15
MLB通算:2204試 率.317 本112 点717 安2844 盗487
※年齢は満年齢