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ダルビッシュが挑む“出口の見えないトンネル”とは…

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手術の成功を報告したレンジャーズ・ダルビッシュ有[Getty Images]
 右ヒジ靭帯の損傷が発覚したレンジャーズのダルビッシュ有が、現地時間17日に靭帯の修復手術、いわゆるトミー・ジョン手術を受けた。

 球団によると、手術は無事に成功したとのことで、ダルビッシュ本人も自身のTwitterにて「無事終わりました。パワーを送ってくださった方々、本当にありがとうございました!」と報告している。

 手術は、トミー・ジョン手術における一番の権威として名高いジェームス・アンドリューズ医師により執刀された。現代医学では成功率も90%を超え、リハビリ方法も進化した今では術後の方が球速がアップしたという例すら報告されているほど。近年増加していることから日本でも馴染みの手術となってきているが、当然そう手軽なものではない。

 トミー・ジョン手術を受ければ、完全復活まで1年から1年半はかかるというのが定説。2015年シーズンはもちろんのこと、来年の前半戦もどうなるかは分からない。そして、待ち受けるのは長く険しいリハビリだ。

 94年から08年まで活躍したジョン・リーバーは、カブスで自身の全盛期を迎えつつあった中で右ヒジ内側側副靭帯を断裂。02年のシーズン途中にトミー・ジョン手術を受け、04年に復活。14勝をマークした。

 リーバーはトミー・ジョン手術からの復活を振り返り、「手術をしたあとの最大のチャレンジは我慢することだね。つらいリハビリに耐え、投げられないもどかしさにも耐えなければならない」と語っている。

 術後は日常生活に支障が出るほどの痛みと戦い、消えるのを待ってからヒジの可動域を元の状態に戻るまで馴染ませ、ようやくウェイトトレーニングが行えるようになる。とにかく孤独な、不安や焦りとの戦いだ。

 手術を経験した投手たちが口を揃えて言うのが、我慢をするということ。この手術を経験し、現在も復帰を目指して奮闘中のヤクルト・館山昌平は、気が遠くなるようなリハビリを「可もなく不可もない毎日を積み重ねていく時間」と形容した。

 トレーニング自体の厳しさというよりも、いつボールを投げれるかわからない状況で「可もなく不可もない毎日」を淡々とこなして行くことこそが最も辛く、険しいものであると経験者は語る。

 それでも、今シーズンからレンジャーズでダルビッシュとチームメイトになった藤川球児は、トミー・ジョン手術を受けた後、「赤ちゃんを育てるようなもの、全治10ヵ月のね」と語っていたことがある。

 マウンドから遠ざけられる期間を、いままで負担をかけていた体の使い方や投球フォームなどを見つめ直すためのいい機会と捉え、逆に利用することで見事に復活を果たした。

 同じチーム内にこうした“先輩”となる存在がいることはダルビッシュにとっても心強いことこの上ない。

 様々な不安の中、自らのヒジにメスを入れる決断をした日本のエース。1日も早い帰りを祈りながら、これからはじまるダルビッシュの長く険しい旅を見守っていきたい。
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