MLBシーズン展望 ナ・リーグ東地区編
ついに現地時間5日(日本時間6日)に迫ったメジャーリーグ開幕戦。もうすぐはじまる新シーズンの見どころや注目ポイントを、地区ごとに分けて紹介していく。
ここでは、ナ・リーグ中地区を取り上げる。まずは、シーズン展望の前に昨年の順位をおさらい!
1.カージナルス(90勝72敗)
3.ブルワーズ(82勝80敗)
4.レッズ(76勝86敗)
5.カブス(73勝89敗)
【カージナルス】
2000年以降、15年間で負け越したのは2007年のみ。その間プレーオフにも11度出場を果たしている。チームの中心はエースのウェインライトだ。昨季は自身2度目の20勝、自己ベストの防御率(2.38)をマークするなど、ナ・リーグを代表する右腕として今年も15勝以上は確実に計算できる。
心配なのは、2007年から7年連続ゴールドグラブ賞を受賞している正捕手Y.モリーナ。昨季はケガの影響で110試合、打率.282、7本塁打と軒並み低水準に終わった。もしも、モリーナが常時出場できるならば、地区の大本命となる。
【パイレーツ】
2013年に21年ぶりのプレーオフ進出を果たしたパイレーツ。その反動も心配されたが、昨季もカージナルスに2ゲーム差に食らいつくなど、地力をつけている。
今年こそ1992年以来の地区優勝を狙うチームは、投打に中堅~若手選手が多く、全体的にまだまだ伸びる余地がある。そんなチームを引っ張るのが、2013年にMVPを受賞したマカッチェン。昨季も13年と同等の成績を残しており、トリプル3への期待も高まるスーパースターが今年も大黒柱だ。
【ブルワーズ】
昨季44セーブを挙げた“Kロッド”ことF.ロドリゲスと再契約したことで、強固な救援陣の確保に成功。通算118セーブのブロクストンとのリリーフ2枚看板が確立されれば台風の目になり得る。
打者では左打ちのリンドの加入が大きい。昨季チーム全体で左打者は19本塁打とメジャー最少だったが、通算146本塁打のリンドが加わったがことで右打者に偏重していた打線にバランスが生まれた。4年ぶりの地区優勝も狙える位置にいると言える。
【レッズ】
昨季は総得点がメジャーワースト3位に終わるなど、貧打に泣いた。ボットとブルースの2人がそろってケガ・不振に陥ったことが主因だが、この2人が復活を果たし、新加入のバードが期待通り働けば、一転してリーグ屈指の打線を形成することもあり得る。
投手陣は昨季20勝を挙げたクエトに次ぐ2番手、3番手の先発投手の成長次第で一気に上位もうかがえるだろう。クローザーに最速左腕のチャプマンが控えているのも心強い。
【カブス】
現在5年連続負け越しと苦しい状況が続くが、若手打者が順調に育っており、来年以降は地区の勢力を大きく変える可能性を秘めている。特にこのオープン戦14試合で9本塁打を放ったブライアントは、チームだけでなく将来のメジャーリーグを代表する選手になる可能性も。開幕をマイナーで迎えるのは残念だが、守備などの課題をしっかり克服して5月にはメジャーデビューを果たしているだろう。
【総評】
近年はカージナルスを中心にカブス以外の3チームが優勝争いに加わることが多いこの地区。しかし資金力のあるカブスもその争いに加わろうとしている。
今季に関して言えばカブス以外の4チームに地区優勝のチャンスがある。中でもパイレーツは力をつけており、抜け出すならこのチームか。日本人ではカブスの和田がオープン戦で太ももを負傷したが、ここにきてようやく投球練習を再開。ローテーションの座を狙う。
● ナ・リーグ中地区の日本人選手
和田毅(カブス)
メジャー2年目/34歳 投手
昨季成績:13試 4勝4敗 奪三57 防3.25
MLB通算:上に同じ
※年齢は満年齢