本日、カブス－カージナルスによる一戦でついに幕を明けたメジャーリーグの2015年シーズン。“正月ムード”に沸くアメリカで、開幕戦を明日に控えたパドレスとブレーブスの間で衝撃のトレードが発表された。

　パドレスはキャメロン・メイビン、カルロス・クエンティンの両外野手とプロスペクト選手のマット・ウィスラー、ジョーダン・パローベック、さらには今年6月のドラフト指名権をブレーブスに放出し、見返りとしてメルビン・アップトンJr.とクレイグ・キンブレルを獲得したことを発表した。

　両チームとも開幕を前日に控えた中での超大型トレードに全米も騒然。レッドソックスの上原浩治も自身のTwitterで「開幕前に凄いトレードがあったなぁ(^_^;)」と思わずつぶやいた。

　パドレスが若手有望株とドラフト指名権を含む5人の選手を放出してまで獲得した2人の選手は、いずれもメジャーで実績を残す大物選手。

　メルビン・アップトンJr.は、大型契約でブレーブスに加入したここ2年こそ不振に苦しみ、輝きを放つことはできなかったものの、メジャー10年間で通算138本塁打、508打点、264盗塁を誇る31歳の外野手。

　今オフにトレードでパドレスへと移ったジャスティン・アップトンは実の弟で、2年間続いていた兄弟での競演が今年も実現することとなった。

　さらにもう一人、クレイグ・キンブレルは、今年で27歳を迎えるという若さながらメジャー通算5年間で186セーブを誇る豪速球右腕。ここ4年連続でリーグ最多セーブを獲得しており、早くも現役最強クローザーとして球界にその名を轟かせている。

　パドレスは今オフに外野陣を総入れ替えするようにマット・ケンプ、ジャスティン・アップトン、ウィル・マイヤーズと強打の外野手を乱獲し、内野手ではウィル・ミドルブルックス、捕手のデレク・ノリスと打撃に定評のある選手を次々に獲得。

　さらにはオフのFAで“ビッグ3”と言われたエースたちの一人であるジェームズ・シールズの獲得にも成功し、リーグ2位の防御率を誇った投手陣を整備。そういった数々の大型補強の最後の仕上げとして足も使えるメルビン・アップトンJr.と最強クローザーのクレイグ・キンブレルを獲得したという格好だ。

　深刻な得点力不足を解消し、9年ぶりのプレーオフ進出へ。向けて目の色を変えて準備を整えた新生・パドレスは、ナ・リーグ西地区の台風の目となることができるか。優勝候補筆頭で巨大戦力を誇るドジャースや、昨年のチャンピオンチーム・ジャイアンツもうかうかしていられなくなってきた。