ニュース 2015.06.22. 17:00

乱調の田中将大 現地メディアが指摘した3つの理由とは…

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マウンドで厳しい表情を見せるヤンキース・田中将大 [Getty Images]
 現地時間6月21日(日本時間22日)、本拠地でのタイガース戦に先発登板したヤンキースの田中将大は、自己ワーストとなる3発の本塁打を浴び、7失点と大乱調。今シーズン3敗目を喫した。

 初回、ビクター・マルティネスに2ランを浴びると、味方の失策の後、J.D.マルティネスにも2ランを被弾。重すぎる先制パンチを食らった田中は、その後も立ち直ることができず、2回にも2失点。とどめはJ.D.マルティネスにこの日2本目の本塁打を浴び、5イニングスで7点目を失った。

 今シーズンは4月下旬に故障者リストに入り、5月は棒に振った田中であったが、現地時間6月3日に復帰して以降は好投を続けていただけに、今回の結果は現地で落胆と共に伝えられた。

 そんな中、米メディアの『NJ.com』に、「田中がタイガースに打ち込まれた3つの理由」なる記事が掲載された。筆者のブレンダン・カッティ氏は、田中将大がタイガース打線に捕まった理由を以下のように分析する。

1.制球力の問題

 カッティ氏が最初に指摘したのは、「制球力」の問題。具体的な場面を挙げると、初回かんたんに二死をとった後、相手の中軸を迎えたところだ。

 田中は2番までを7球で斬って取る好スタートを切りながら、3番のミゲル・カブレラに対してはいきなりボールが2つ先攻してしまう。1ストライクをとった後、4球目を痛打されて安打を許すと、4番のビクター・マルティネスに対しても2ボール1ストライクからの4球目をライトスタンドまで運ばれた。

 カブレラは現在リーグトップの打率.345を残し、本塁打も15本を記録。メジャーでも屈指の強打者を迎え、慎重になるのは仕方がないことだが、この場面で強気に攻めていくことができなかったのは、立ち上がりのつまずきに繋がった要因の一つと言える。

2.投球のメカニクス

 2つ目は、「田中の投球フォーム」に関して。「普段は全身を効率よく使った連動性の良い投球が持ち味の田中だが、この日は体のキレに欠け、躍動感が失われていた」とカッティ氏は指摘する。

 登板間隔は変わらずに中5日を保っており、前回登板時の球数も94球と特別多かったわけではない。単にコンディションが良くなかったのか、はたまたどこか不安を抱えながらの投球だったのか…。次回登板で確認しておきたいポイントのひとつとなりそうだ。

3.球速の落ち込み

 そして、最後は「田中の球速」について。

 復帰して以降は96マイル(154キロ)を計測するなど、速球の威力を取り戻していた田中。ところが、この日は最速で93マイル(150キロ)に留まり、直近の数試合では最も遅かったのだ。

 打たれた安打の内訳を見ても、半数以上にあたる6本がストレートかもしくはツーシームで、いわゆる速球系のボールを打たれており、投球全体の組み立てが苦しくなってしまった。

 影を潜めた球速が戻っているかどうかというのも、次回登板で確認したいチェックポイントのひとつとなる。

 試合後、今回の登板を振り返った田中は、「すべてが悪い方向に転がってしまった。立て直すのは難しかった」とコメント。それでも、「こういう日もある」と前を向いた。

 名門チームの主戦投手として、周りから厳しい視線を向けられるのは避けられないこと。大切なのは、裏返ったてのひらをもう一度ひっくり返すことだ。連敗を喫して迎える次回登板で、田中は真価を発揮することができるだろうか。

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