ニュース 2015.08.16. 15:20

【高校野球】リリーフ登板の佐藤世那が完璧投球! 仙台育英が接戦を制す!

【第97回全国高校野球選手権大会・11日目】
● 花巻東 3 - 4 仙台育英 ○

 第三試合は仙台育英(宮城)対花巻東(岩手)の東北勢の対決。仙台育英の打線は破壊力があり、どこからでも長打が打てる。今日先発の百目木(どめき)を早めに援護したい。一方の花巻東も打線は好調。2回戦ではセンバツ優勝校・敦賀気比の好投手、平沼を打ち崩して勢いがある。投手が豊富なので継投で仙台育英打線を封じたい。

 先攻の仙台育英は初回から花巻東の先発加藤の立ち上がりを攻める。1番佐藤が初球を叩きライト前ヒットで出塁すると、2番青木が手堅く送る。続く平沢が四球で一死一、二塁となって、4番郡司が放った鋭い打球はライト前に抜ける先制タイムリーとなる。5番佐々木良も続き連続タイムリーで2-0。続く6番紀伊も内角のストレートをジャストミートするが、花巻東のサード菊地がダイビングキャッチ。飛び出したランナーも一塁で刺しピンチをしのぐ。

 花巻東もすぐさま反撃。四球で出塁した田老をすかさず二塁へ送ると、3番千田のレフト前ヒットでホームに還す。その後、5番の佐々木がヒットで二死一、三塁としたときにディレードスチールでホームを狙うが、仙台育英のセカンド、谷津の好返球の前に憤死。

 2回表、花巻東は早くも投手を加藤から高橋に交代。この回も先頭の7番佐々木柊がショートへの内野安打で出塁すると、谷津が死球で無死一、二塁。9番百目木がレフト線へのタイムリーツーベースで3ー1とする。さらに満塁となるが、ここは花巻東が踏ん張り、最少失点でとどめる。

 次にスコアが動いたのは4回裏。花巻東の4番熊谷が左越えに大会第23号となるソロホームランで3ー2と追い上げる。一死一塁となったところで、仙台育英は百目木からエースの佐藤世那にスイッチ。佐藤世は2人で切って取る。

 次の1点がどちらに入るかが勝負の大きな分かれ目となる中の6回の攻防。表の仙台育英は一死からの送りバントで二死二塁とすると、2番青木がレフト越えの適時打で貴重な1点を追加する。援護をもらった佐藤世は、6回裏の花巻東の攻撃を三者凡退で抑える。

 しかし花巻東も食い下がる。7回裏、6番佐藤唯がサードの悪送球で一気に2塁へ進むとバントと犠牲フライで4-3。そして試合は進み、1点差のまま9回裏へ。4回から登板した佐藤世に抑え込まれていた花巻東だが、一死から5番佐々木がレフトへヒットを放つ。6番佐藤唯への4球目に一塁ランナーがスタート。しかし郡司が二塁へ好送球で盗塁は失敗。佐藤唯がヒットで出塁するものの、代打の小松がファーストゴロに打ち取られゲームセットとなった。

 仙台育英の強烈な打撃に目を奪われがちだが、それ以上にこの試合では鍛えられた守備が勝因だろう。リリーフの佐藤世那の投球に、ショートの平沢を中心にカバープレーや際どい打球の判断など随所に光るプレーを見せた。また、花巻東も好守を連発し、引き締まった試合を演出。東北の野球のレベルの高さを感じさせる一戦だった。

文=朝倉尚
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