高橋新監督も注目する公文克彦
いよいよ2月1日からスタートするプロ野球の春季キャンプ。各球団から一、二軍の振り分けが発表され、一軍メンバーには期待の若手選手の名前も多く含まれている。ここではベースボールキングが注目する、叩き上げの3選手を紹介したい。
まずはロッテの高卒3年目・二木康太。187センチの長身からキレのある直球を投げ込むドラフト6位入団の右腕。しなやかな腕の振りと制球力を武器とするスタイルは、どことなく岩隈久志(マリナーズ)を彷彿とさせる。昨季はチームの本拠地最終戦で中継ぎ登板し、記念すべきプロデビュー。日本ハム打線を5回1失点に抑え、評論家からは「CSでも使えるのでは?」との声も挙がった。
そのポテンシャルを見込まれ、春季キャンプは一軍スタート。変化球の精度をさらに磨けば、先発ローテーション入りも狙える若きホープだ。
巨人の公文克彦はドラフト4位で2013年に入団した中継ぎ左腕。昨季はイースタン・リーグで44試合に登板し、防御率1.78をマーク。安定した結果を残したが戸根千明の台頭もあり一軍登板はなかった。
売りはインステップから投げ込む角度のある変化球。秋季キャンプからは腕の位置をさらに下げ、対戦した左打者は「怖くて打ちづらい」と声を揃えた。現役時代に“左の天才打者”と呼ばれた高橋新監督も「変則で特徴のある投手」と評価。4年目左腕としては、監督交代を飛躍のきっかけにしたいところだ。
野手では西武の水口大地に注目。昨季途中に育成から支配下登録を勝ち取った苦労人で、身長163センチはDeNAの内村賢介と並び球界最小兵。四国IL・香川時代は盗塁王に輝き、シュアで粘り強い打撃が光る26歳だ。
昨季はイースタン・リーグで打率.325をマーク。三振が少ないのも特徴で、豪快な打者が揃う一軍打線の中で活きる可能性を秘める。守りの本職はセカンドだが、内野ならどこでも守れ春季キャンプでは本格的にショートにチャレンジ。現役時代に同ポジションを守った田辺監督も「うちはショートが弱いから、守備の安定感が加わってきたら戦える」と期待を寄せる。
昨季は2ケタ勝利を挙げた中日の若松駿太がブレーク。ドラフト7位で2013年に入団した高卒右腕も、2年目の14年に一軍キャンプに抜擢。ブルペンでは岩瀬仁紀や川上憲伸、大野雄大らと並ぶ機会もあり、当時は選手兼任だった谷繁監督のミットにも投げ込み、黙々と飛躍の礎を築いた。
前述の3選手も、若松と同じくドラフト下位指名もしくは育成出身。この時期は新人選手の動向に注目が集まるが、彼らのような叩き上げ選手にも注目したい。