各球団が思考を凝らした“おもしろシート”
プロ野球開幕まで、あと2カ月。キャンプインも目前に迫り、プロ野球ファンは球春到来を今か今かと待ちわびている。
そんなプロ野球ファンたちのワクワクを煽っているのが、“新シート”に関する情報だ。
近年は外野で寝そべりながら野球が見られる「セブン-イレブンシート寝ソベリア」や、バーベキューや名物・お好み焼きを楽しみながら野球観戦ができる「エバラ黄金の味 びっくりテラス」など、広島の本拠地・マツダスタジアムが一風変わった座席を次々に発表。大きな話題を集め、多くのファンを球場へと呼び込んだ。
また、競い合うようにして他の球団・球場も工夫をこらした“おもしろシート”を続々と設置。いまでは各チームがバラエティに飛んだチケットの種類を持っており、従来とは違った野球の見方を提案していくことで、ファンの獲得・拡大に努めている。
ネット裏にソファ!?客席に「RECARO」!? 大胆すぎるソフトバンクの新シート
昨年は従来の外野フェンスの前にせり出した座席「ホームランテラス」を設置し、大きな話題を集めたソフトバンク。日本一2連覇のチャンピオンチームは、今年も新たな座席を発表した。
そのうちのひとつが、「<みずほ>プレミアムソファシート」。名前からなんとなく想像がつくかもしれないが、なんとも大胆なことに、バックネット裏の一部にソファーを設置した座席である。
従来のバックネット裏に存在していた「<みずほ>プレミアムシート」の上段部分を改装し、2人がけのウレタン製ソファを設置。また、テーブルカウンターとシートの前後幅を通常の座席の2倍となる560mmに設定し、長時間でもゆったりと観戦できる空間を作った。
さらにもうひとつが、「RECAROスタジアムシート」。自動車用高級シートの世界的有名ブランドである「RECARO」のシートを、野球観戦用の座席として設置するという国内初の試みを行うことが決まった。
「RECARO」のシートといえば自動車や旅客機、新幹線のみならず、欧州の名門サッカークラブが本拠地のベンチに採用していたりするもので、こちらもファンの興味を集めそうだ。
浜辺でBBQ in スタジアム…ロッテの目玉は「バーベキューシート」
海浜幕張にあるQVCマリンフィールドを本拠地とするロッテが打ち出したのは、海辺でバーベキューができるという新シートだ。
一塁側と三塁側のポール際にあたるスペースで、昨年まではホーム・ビジターの「ピクニックボックス」として展開されていた場所を「バーベキューシート」として一新。無煙式のグリルを設置し、煙を最小限に抑えつつもバーベキューをたのしみながら、かつ野球を見ることができるようになる。
海のそばで開放感たっぷりな地の利を活かした新シートは、今年のQVCマリンフィールドの目玉スポットとなるだろう。
その他、今シーズンここまでで発表されている各球団の新シートは以下の通り。座席やチケット販売などの詳細は、各球団の公式HPまで。
【今季の主な新シートまとめ】
▼ ソフトバンク
・<みずほ>プレミアムソファシート
場所:バックネット裏<みずほ>プレミアムシートの上段
☆長時間の観戦でも疲れにくいウレタン製のソファシートを導入。また、テーブルカウンターからシートまでの前後幅が通常の2倍の広さとなり、足を伸ばしてゆったり観戦できる。
・RECAROスタジアムシート
場所:3塁側S~A指定席エリア20列目
☆「RECARO」とは、自動車や旅客機・新幹線などの高級シートとして広く知られているプレミアムブランド。欧州では名門サッカークラブの本拠地をはじめとした数多くのスタジアムで採用されている、レースカーのシートのような座席で、観客席への導入は国内初とのこと。人間工学に基づいて設計されているため、長時間の観戦でも快適な座り心地を保つことができる。
<その他>
・内野立見B(ヒップバー付)
・シスコ スタンディングゾーン
・パーティースイート
▼ ロッテ
・バーベキューシート
場所:一塁/三塁ポール際(昨年までのホーム応援ピクニックボックス、及びイープラスビジター応援ピクニックボックス)
☆その名の通り、バーベキューをしながら野球観戦ができるグループ向けの席。各エリアに大型の無煙式グリルが設置され、煙を最小限にとどめながらも大勢でバーベキューと野球観戦が一気に楽しめる。
・サントリー マスターズ ドリームシート
場所:バックネット裏グラウンドレベル(昨年まで記者席だったエリアを改装)
☆グラウンドレベルに位置し、選手と同じ目線で臨場感あふれる迫力のプレーを見ることができる観戦席。バーも併設されており、ビールやフードを楽しみながら贅沢なひとときをたのしむことができる。
<その他>
・アイランドシート
▼ 中日
・フィールドシート
場所:一塁/三塁側のファウルゾーンにせり出した部分
☆日本でも馴染み深くなってきた「フィールドシート」がナゴヤドームにも誕生。すでに2015年のシーズンシートオーナー向けに先行販売が行なわれ、2016年シーズン分は完売となっている。