開幕投手は菊池雄星に決定!
西武の宮崎・南郷キャンプは19日が最終日。2月1日からはじまったキャンプを打ち上げた。
大きなサプライズは開幕投手の発表。田辺徳雄監督は、開幕投手に7年目左腕の菊池雄星を指名したことを明かした。
「この(最終)クールの初日に、『開幕はお前に任せた。チームに勢いをつけるためにしっかりやってくれ』と伝えた」と田辺監督。これまではエースの岸孝之が大本命と見られていただけに、大きな衝撃を持って伝えられた。
抜擢の理由については、「彼がやらなきゃいけない。自覚と責任をもってやってもらわないといけない歳になるのでね」。
かつて甲子園を沸かせ、2009年のドラフト会議では6球団が競合した末に勝ち取ったが、プロ入り後の最多は9勝といまひとつ化けきれず…。そんな菊池に奮起を促すべく、大役を託すことを決めたという。
首脳陣はもちろん、多くのファンが期待する男だけに、自身初となる「開幕投手」を飛躍のキッカケとしたいのは間違いない。
「岸外し」から垣間見える田辺監督の本気度とは…
しかし、菊池の大役抜擢の裏には、まだまだ隠れた理由があるように思える。そのひとつに挙げられるのが、「開幕後の日程」だ。
西武は3月25日(金)に本拠地・西武プリンスドームで開幕を迎え、オリックスと3連戦を戦う。ここで、開幕からの10カードをいわゆる“表ローテ”と“裏ローテ”に分け、対戦カードを並べてみると以下のようになる。
【西武・開幕後10カードの対戦表】
表:オオオ 楽楽楽 ロロロ オオオ 楽楽楽
裏:ソソ- 日日- ソソ- 日日日 ロロ-
※それぞれ対戦チームの頭文字、「-」は移動日
こうして見ると、いわゆる“裏ローテ”の方にソフトバンク戦が4試合、日本ハム戦が5試合、さらにはロッテ戦も2試合と、昨年の上位3チームとの対戦が集中していることがお分かりいただけるだろう。
開幕戦を担当しないエース・岸は、“裏ローテ”の頭である火曜日に回ることが濃厚。菊池抜擢の裏には、岸を強豪との対戦にぶつけたいという思惑が少なからずあったと推測できる。
かつての“常勝軍団”も、ここ2年は5位、4位と低迷。2年連続Bクラスは34年ぶりという屈辱だった。
上位を叩かないことには浮上はない――。今回の「開幕投手発表」には、そんな田辺監督の今年にかける意気込み、覚悟が垣間見えた。
▼ 西武・最近10年の開幕投手
2006 西口文也(●)
2007 西口文也(○)
2008 涌井秀章(●)☆優勝・日本一
2009 涌井秀章(○)
2010 涌井秀章(○)
2011 涌井秀章(○)
2012 涌井秀章(●)
2013 岸 孝之(●)
2014 岸 孝之(●)
2015 牧田和久(○)