衝撃デビューを飾ったドラ2ルーキー
今年の広島は強い!
20日、各地でオープン戦がスタートした。浦添市では、昨年の覇者・ヤクルトと広島が対戦。先発はヤクルトが成瀬善久、広島が野村祐輔と互いに本番を見据えた対戦となったが、結果は広島が10点差をつけて圧勝した。
広島にとっては見どころ十分の試合となった。
先発の野村は立ち上がりこそ制球が定まらなかったものの、3回を投げて3安打1失点とまとめ、この時期としてはまあまあの出来と言っていいだろう。
さらに、観客とヤクルトベンチを凍りつかせたのが、野村の後を受けて2番手で登板したドラフト2位の横山弘樹だった。
3番・山田哲人からの打順とあって盛り上がるヤクルトベンチ、そしてヤクルトファン。しかし、そんな雑音は耳に入らないかのように、140キロを超えるストレートを新人らしく、リズムよく投げ込んでいく。
初々しさが残る、見ていて気持ちがいいほどの投球。最初に対戦したトリプルスリー・山田哲人に対しても、実に堂々としたピッチングをみせる。
普通なら臆するものだが、どちらが格上か分からないほどの堂々としたマウンドさばき。豪快な速球で追い込むと、何と3球三振に斬って取った。
これにはさすがの山田もぼう然。無表情でベンチに戻っていった。
それだけに留まらず、続くは60発男のバレンティン。こちらもルーキーにとっては大きな壁だが、横山は山田に続き、バレンティンのバットも空を切らせた。
昨年の優勝チームの3、4番をたった6球の連続3球三振という衝撃デビュー。「何なんだこのピッチャーは」…。真中監督をはじめ、ヤクルトベンチからは大きなざわめきが起こった。もちろんシーズンでも対戦することになる。試合後ヤクルトは対応策に追われていることだろう。
クロスプレーの新ルールを突いてもぎ取った1点
また、広島が良く練習してきているのが象徴されたシーンもあった。
4回、松山の安打で一塁走者の新井が一気に本塁を突いた。
好返球もあって本塁上は微妙なクロスプレーとなったが、新井は新ルール適用の滑り込みを披露。捕手・中村のタッチをかいくぐり、見事に生還を果たした。
今までであればアウトになった可能性の高いプレーだったが、ブロック禁止の新ルールにしっかりと適応して得点を刻んだ。そこは練習の成果だろう。宮崎・日南でやってきたことが実を結んだプレーだった。
終盤にエルドレッドの一発などで10点差をつけて王者を倒した広島。たかがオープン戦、されどオープン戦…。昨年の対戦成績ではヤクルトが14勝11敗と勝ち越したが、それがひっくり返る可能性は、十分にある。